CRISIS – Holocaust Hymns


(Apop Records/CD)

Death In June以前にWakefordとDuglas P.が在籍したパンクバンド、CRISISの再発編集盤。名前を耳にするのみで今まで聴かずにきたが、思いのほかDIJ特有の気怠さの漂う音楽であった。77年から80年までのシングル、ミニLP、デモから成り、所謂パンク的要素(キャッチーなリフ主体のシンプルな演奏、特にドラムがDIJと違ってまとも)がそこには色濃く見られるが、ノイズ・インダストリアルがパンク/ニューウェーブの負の側面であったとすればDIJの萌芽はここに既に用意されていたと見るべきだろう。ダウナーに沈降する淡々とした曲調には熱量と言うか初期衝動が希薄で、DIJ+パンクという独自の魅力を放つ。政治的に反ファシズムのスタンスを強く持つバンドであったが、それと同時に上記の二人は(恐らくはシンボルとしての)ファシズムの持つ規律、栄光ある死、美学にも惹かれつつあったと思われる。その後のDIJの世界を予見させつつも、パンクらしい若々しい力強さを聴かせる音楽。

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