帝都潜入 @ 渋谷 O-NEST

BRIGHTER DEATH NOW, GREY WOLVES, PROIEKT HAT
2004/6/26
渋谷 O-NEST

気合いを入れて開場以前に到着。物販目当てだったのだが、レア盤を貪る修羅の群れを目の当たりにすることに…。BDNの見たことのない 7EP,1890,Split CDなどをなんとか購入。客の中には年輩ノイズマニア、秋葉系、HxCx、ブラックメタラー等々の濃い面々も。

PROIEKT HAT:
机の上には複数のカセットプレイヤー、エフェクター、ミキサーが並ぶ。そこへ登場したPHは寡黙な印象の細身の青年。カセットテープによる不明瞭な腐敗したノイズループが幾重にも重ねられ、陰鬱で重苦しいノイズ音の層となる。内向的な鋭さを秘めた渋いライブ。背後ではスライドによるモノクロームの不明瞭なイメージが連続投影されていた(スライド機材の不調というトラブルがあったのが残念)。PHはしょっちゅう不要な音源カセットを客に向かって放り投げるのだが、マニアな客がそれを嬉しそうに拾っていたのが可笑しい。

GREY WOLVES:
坊主頭で戦闘服に身を包んだ灰色狼ことTrevor Ward。今回のライブはGENOCIDE ORGANのW.Herichもサポートで参加するという混成部隊。Trevorは前方でアジテーション、W.Herichは後方で機材を操作。インプロノイズではなく曲として、ストイックで怒りに満ちた攻撃的なノイズが疾走する。Trevorはステージと客席を行き交いながら激しく客を挑発。明らかにパンク的なノリを客に要求。客にマイクを向け叫ばせる。そして何故か菓子を配り歩く(笑)。それに応じて始めは大人しかった客も徐々に暴れだし、ステージ前方ではしょっちゅうぶつかり合いやら諍いが起きていた。殺伐とした空気。過剰さはさらに度合いを増し、混乱と猥雑さを纏い込みながら走り続ける。背後ではいかにも GREY WOLVESらしい古臭いポルノや、ゲリラ兵のイメージがスライドで連続投影される。ラストではW.Herichも前方に出てきてアジテーション。 GREY WOLVES特有の腐食した猥雑な持ち味に、GENOCIDE ORGANの重厚さが加味された素晴らしい内容。そこにはマーシャル・パワーエレクトロニクスに求められるものが全て存在していた。完璧。

BRIGHTER DEATH NOW:
問題の衝撃的パフォーマンス。抽象的なイメージのビデオが背後に投影され、シンボルマークのフラッグがステージを飾る。Roger Karmanikは前方でマイクを握り、PHはサポートとして黙々とサウンドを担当していた(機材はPHのステージの時のもの)。ところがKarmanikは酔っていて愛嬌のある笑顔で叫び、ふらふらとステージと客席を徘徊し、寝転がったり、客とふざけ合ったり、謎のポーズを決めたり、電源を抜いてしまいサウンドを止めたりという、まるで居酒屋での二次会状態。しかしながらバックのサウンドは滅茶苦茶格好良い重厚なデス・インダストリアルであり、まさしくBDNだった。そのことからKarmanikはこの状況を狙ってやっているのではないかと深読みすることが出来る。乾いた笑顔と陽気さの奥底に潜む虚無。理解していただけるだろうか、この感覚が。過去の海外でのライブ写真でもこの日のライブの有り様を思わせるものがあった。これこそBDN流のプレゼンテーションであり、曝け出された虚無なのではないか?。エンディングで妙に軽快な BGMが流れた時に感じた強烈な違和感。その時、私は勝手にそう確信した。レコードから受ける押し潰されそうな重厚な印象とは180度違う。底抜けに愉快で、そして奥深い。

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