Karlheinz Stockhausen @ 天王洲 ART SPHERE

Karlheinz Stockhausen, Suzanne Stephens, Kathinka Pasveer, Hubert Mayer, Marco Blaauw, Antonio Perez Abellan
2005/06/26
天王洲 ART SPHERE

人間余裕が大事だという訳で、今日こそは余裕を持ってまっすぐ会場へ向かう。今日もほぼ満席だが、昨日よりも若干客が少ない気がする。今日の座席はStockhausenの座るコンソール席のすぐ後ろという、ある意味ベストな位置。ステージよりStockhausenの挙動を注視した。
まずは、かなり馴染んできた「リヒト・ビルダー」。この日の演奏はやや長く感じた。また、席の関係からか電子音が比較的良く聴こえた。演奏の最中、Stockhausenは譜面をめくりながら演奏を追う。その手元までは見えなかったが、あまりコンソールの操作は行っていなかったように思う。
休憩中は職場の上司と遭遇し、しばし感想を述べ合う。この方はドイツ語が出来る人なので、リアルタイムで言葉の意味が理解できるのが羨ましい。物販も覗くと、スコアは売り切れ、CDは輸入盤店価格に合わせたのか、少し高めだった。他に欲しいものもあるので。また直接Stockhausenのレーベルに注文すればいいかと思い、この日は何も購入せず。
そしていよいよ最後の演目「天使=行列」。電子音楽作品ではないが、今回はテープ上演形式。例によって暗闇の中、壁にライトの光が一つだけ投影される。私はStockhausenの傍らのレコーダーのレベル表示を見ながら聴くことにした。客席にてコーラス隊が歌うというこの作品。しかしながら一度録音、ミックスされて、このような形で聴かされると、彼の他の電子音楽作品と通じるものがあると感じた。むしろStockhausenらしさがよく分かる。電子音楽も合唱も彼の中では同じなのだ(当たり前か)。ある日本人作曲家はオーケストラ作品の作曲であっても、周波数とその配置によって、全体から細部に至るまでを構想し、それを五線譜に置き換えることで作曲を行うと聞いたことがあるが、要するにそういう感覚。電子音楽もやっている作曲家って皆そうなんだろうか?。奇怪な歌い方も用いた合唱なのだが、多くの場面で小さな音量のドローンのような薄い声の膜が配置されており、もの凄い緊張感。聴いているとどんどん集中力が上がってのめり込んでゆく。Stockhausenは全然丸くなんてなっていない。過去の過激な電子音楽をやってた頃のままだと思い知らされた。
この日も拍手は鳴り止まず、Stockhausenは観客の喝采に応える。その後はやはり毎度のサイン会状態に。恐ろしい人数の行列だったが、Stockhausenは紳士的に一人一人に丁寧に対応していた。

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