Merce Cunningham舞踊団 @ 京都 京都会館ホール

小杉武久, Jim O’rourke, Stuart Dempster
1998/?/?
京都 京都会館ホール

Jim O’rourkeの演奏を初めて観たのは98年、Merce Cunningham舞踊団の来日公演だった。Merce Cunningham舞踊団といえばCageにTudorだが、この二人亡き後は小杉武久氏が音楽監督を務めている。前売りを買っていなかったので、ホール入り口で当日券を購入。A席は残っておらずS席のみ売れ残っていた。そんなものか、と思って少々サイフに痛いS席を購入。会場に入るとなんと最前列。オーケストラピットの真ん前。ダンスより音楽目当ての私としては結果的にベストな環境。ステージには目もくれず、間近で演奏を観ることができた。

小杉武久+Jim O’rourke:
最初の演目でO’rourkeは小杉氏と一緒にCageの「Four 6」を演奏。MDやPowerBookから既成曲のサンプルの断片を(適当に)流していた。このセンスはポップといえばポップだが…。小杉氏の音具による物音とのミスマッチさ加減がなかなか凄かった。音源は指定されないが、音の種類数とタイミングが細かく指定されたこの曲。このようなミスマッチさこそ音楽監督である小杉氏の意図であったのかもしれない。

Stuart Dempster:
次の演目でのStuart Dempsterの演奏は完全に忘却してしまった。アンビエントな残響ものだった気がする。

Jim O’rourke:
最後の演目ではDavid Tudorの「Untitled」をO’rourkeがミキシング。これだけは今も強烈に憶えている。O’rourkeは巨大な卓の前に立ち、ポケットからタバコや小銭を取り出して几帳面に脇に揃えて置く(笑)。身軽になって、軽くジャンプしながらスタンバイ。舞台でダンスがスタートすると、O’rourkeも激しく卓を操作し、目紛しい速度でTudorの音源をミキシングする。重層的な熱帯雨林ノイズの奔流が会場を満たす。ノイズから独立したダンス。ダンスから独立したノイズ。とんでもなく過剰なキリモミ状の電子音の渦に、解れ合い断片化する身体の動きが重なる。ダンスには大して関心のない私だが、この整合性から徹底して離れる断片的な全体はとても面白かった。

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