Signal to Noise – Audio Swiss Japan @ 名古屋 KD.JAPON

Christian Weber, Tomas Korber, Jason Kahn , Norbert Moslang, Gunter Muller, 大友良英, Lethe/桑山清晴
2006/3/13
名古屋 KD.JAPON

遠出をする日に限って寒い。雪の降るなか、数年ぶりのKD.JAPON。がらりと店内の配置が変わっていて躊躇する。7名もの演奏者が出演するので、ステージ周辺は各種エレクトロニクスが占領しており、町工場のようにごちゃごちゃ。よくよく考えるとライブに足を運ぶのなんて、自分の関わった物を除くとすっかりご無沙汰。大友氏の演奏を観るのも久し振り。(20歳頃の自分にとってGROUND-ZEROはアイドルだった。ほとんど大友氏の追っかけに近い状態で、関西圏での大友氏関連のライブには必ず行くくらいに。)さて、久し振りと思ったら大友氏の使用楽器はギターだった…いつからタンテ使わなくなったんだろう。それとも今日はたまたまなのか。

一セット目はJason Kahn(electronics)、Norbert Moslang(everyday cracked electronics)、Gunter Muller(i-Pod, electronics)、Letheこと桑山氏(electronics)というエレクトロニクス奏者によるセット。高周波音や雑多な電子ノイズがドローン状に層を成し、グリッチ音によるプチプチとしたリズムが、その音の層をまとめ上げる。ドローンとしてインプロするというのは分かりやすい方法ではあるのだが、この面子は比較的似た音色によってそれを行っていたため、とても一体感があったように思う。明確なリズムを要として使用するのは、やや反則な気もしないではないが、おかげで音楽的な高揚感が味わえた。また電子音ばかりのなか、桑山氏が足元の石を蹴る音が面白いアクセントになっていた。

二セット目はChristian Weber(contrabass)、Tomas Korber(guitar, electronics)、大友氏(guitar)という楽器奏者によるセット。ちなみにTomasはほぼエレクトロニクスのみを使用。もちろん楽器演奏といっても、断片的な自己表出の度合いの薄いリダクショニズム的内容。後半からは大友氏が震えるようなギターアンプのフィードバックに突入。コントラバスの弦による軋みを侵蝕する、どこか永久音楽劇場のようでもあるハードコア・ドローンとなり、なかなかの好内容に満足。

三セット目は全員での大所帯セット。前半は様子を探るかのように点描的な音を出し合う。いまいち噛み合わない。特に電子音に対して、Christianのコントラバスと大友氏のギターの爪弾きが。しかし徐々に音は抽象性を高めてゆき、中盤辺りからドローンや、高周波、クラックド・エレクトロニクスが一体化し、神経質で鋭利な電子音のクラスター状態に突入。大所帯での即興はやっぱりこうなる、予定調和的に。こういう電子ノイズ主体の楽器編成の場合はそれがまた良いのだが。誰がどの音かは判別不能ながら、想像ではパッチシンセのコードを忙しそうに繋ぎ替えるJasonの役割が大きかったように思う。ここでも機械的なグリッチ音による、プチプチとしたリズムがやはり要。自分も年甲斐もなく盛り上がってしまい椅子の上に立って観戦。静寂系のリダクショニズムも良いけど、即物的でありながら冷めた高揚感もあるインプロも良いものだ。

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