GASTR DEL SOL – Camoufleur


(Drag City/LP)

98年の最終作でGASTRは最後に大胆なポップへの転向をみせた。今までのようにインスト中心ではなく、普通に歌ものも多い。OVALことMarkus Poppが1,2,4,6曲目で電子音響を加えている。やや強引とも思えるコラボレーションの為か、作品全体を通して以前なら非常に緻密に注意深く重ねられていた音響が大味な重ねられ方をしている気がする。管弦楽器も抽象的なまま楽曲に溶け合わされるのではなく、装飾として楽曲を演出しており、その変貌には驚かされる。総じて演出過剰な程のポップ指向であり、前作の実験的な音響工作やストイックなミニマリズムも、BASTRO的な荒々しいジャンクっぽさもここでは指向されていない。
音楽家が変節することは、往々にして過去のファンの反発を招く。しかしながら音楽家が作風を変化させてゆくことは致し方ない。それにしても寂しい。客観的に見れば、宝石のような珠玉のポップス(ありきたりなポップスとは違うが)であり、素晴しく良く出来ている。そしてこの方向性は解散後の2人の活動に今も繋がっている。

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