GASTR DEL SOL – The Serpentine Similar


(Dexter’s Cigar/LP)

BASTROのBundy K. Brown, David Grubbsが組んだ実験的フォークデュオ。しかしBundy K. Brownは1stのみで脱退。後任としてO’Rourkeが加入し、次々と名作を生み出すことになる。私にとっては個人史的思い入れを含め重要なグループ。世間一般の評価としては90年代後半の音響ブームにおける代表的バンドとなるのかもしれない。しかし、そのあたりのバンドと一緒にしてしまうのは大いに違和感がある。アヴァンギャルド好きのリスナーが先入観から GASTR DEL SOLまでも敬遠してしまうことは勿体無さ過ぎる。
本作はO’Rourke加入前。Bundy K. Brown, David Grubbsの二人にJohn McEntireが参加した記念すべき第1作目。オリジナルはTeen Beatより。冒頭「A Watery Kentucky」は気だるく陰気な歌ものフォークであるが、中盤では金属ノイズ/即興演奏的アプローチも飛び出し、解れる演奏は終盤のゆっくりとした力強いリズムに収斂される。O’Rourke加入以前からGrubbsの頭の中には既にGASTRの基本的なアイデアがあったようだ。2曲目は弾き語りの小曲。3曲目はピアノ+ノイズ。4曲目「Ursus Arctos Wonderfilis」はスピード感のあるアコギによるインストゥルメンタル・ロック。スリリングに絡む2本のギターが非常に格好良い。5曲目はピアノ弾き語り。6曲目「For Soren Mueller」はZENI-GEVAのようなハードコア化したプログレ。神経質な演奏のギターとガシガシと切り替わるソリッドなドラムが格好良い。小曲を挟んで、ギター2本が絡む8曲目「Even the Odd Orbit」へ。ミニマル性はまだ強くなく、むしろ表情豊かな展開を見せる。GASTRの基本的なアイデア「ミニマルロックと溶け合う不定形な音響」はある程度、既に存在しているが、「不定形な音響」の部分はまだまだ控え目な一枚。むしろ彼らの出自を感じさせるスリリングなアコギとドラムの格闘に魅力を感じる、アコースティック・ハードコア・プログレな名作。93年発表。
この後、Bundyが脱退。O’Rourkeが加入し、シングル「20 songs less」を出す。

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