FORSETI – Erde


(Goeart, Grunwald/CD)

北欧神話における裁きと調停の神FORSETIの名前をバンド名に戴いた、Andreas Ritterを中心とするドイツのネオフォークユニット。このFORSETIは私がネオフォークにのめり込む切っ掛けになったバンドであり、是非トラッド&フォークリスナーにも聴いてもらいたいと思う。細部まできっちりと制作された豪華なブックパッケージ仕様。
欧州マーシャル・インダストリアルと同じように自分たちのルーツを誇りを持って掲げ、当然のように全曲自国語で歌う。その楽曲はアコースティックギターを中心に奏でられ、弦楽器、アコーディオン、メロディカがそこに寄り添い、穏やかに鳴り響く。自分たちがどこから来て、どこに立っているのかを真摯に見つめた、素朴でありながら力強い民衆の歌。それもまた一つの社会的視点である。
作為的な要素がなく純朴極まりないAndreas Ritterのヴォーカルを、SONNE HAGEL、FIRE+ICE/Ian Read、In Gowan Ring、OTWATM/Kim Larsen、ORPLIDのメンバーをはじめとした多くのサポート陣ががっちりと支える。ちなみにSONNE HAGEL、ORPLIDのカヴァー、Kim Larsenとの共作も含み、アルバムの最後はそのORPLIDの名曲「Das Abendland」で締めくくる。
ノイズの要素は全くないが、一聴すればマーシャル・インダストリアルとネオフォークが近しい理由を感じ取れると思う。ノイズ・インダストリアルを背景/テーマ込みで聴取出来て、過去に一度でもトラッド&フォークあるいはプログレにはまった経歴のある方なら、間違いなく一生聴き続けられる名作。

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