CONSUMER ELECTRONICS – Box


(RRR/LP×3)

ティーンエイジャーのノイズといえば、まずはこれであろうCONSUMER ELECTRONICS。RRRよりの過去作品集大成、三枚組LPボックス。一枚目にはPhilip Best本人のカセットレーベルであったIPHARからの「Consumer Electronics」(IPHAR 01番)を、二枚目にも同じくIPHARの「LEATHERSEX」(IPHAR 04番)を収録。無機質なパルスと切り裂くようなチューニングノイズが淡々と堆積される、まさにチープな壊れた電化製品さながらのゴミのような雑音が満載。82年という時期ながら、後の日本産ノイズを先取りする様なピュアノイズである。そして三枚目、A面にはロンドンでのライブ(1982/6/12)を、B面にはBestが通っていたであろう中学校(Nailsea School)での学園祭ライブ(1982/10/21)を収録(レーベル不明のテープ作品「PUBLIC ATTACK 3」から抜粋)。6/12の音源は説得力ある催眠的持続音ハーシュ、10/21の音源は集大成ボックスのラストに相応しいパワーエレクトロニクスである。特に10/21の音源ではようやくアジテーションがノイズに導入されるに至り、狂奔するエレクトロニクスに地声で対峙するBestの若き日の姿を確認することが出来る。
彼がWHITEHOUSEに加わったばかりの頃の写真を見ると、スキンヘッドに細い体躯、鋭い眼光から、10代特有の真摯な鋭さをひしひしと感じ取ることが出来る。この鋭さとは少年にしか持ち得ない特権であり、曇りのないナイフのように穢れのない鋭い光を放ち、その刺々しい衝動を外界へと向ける。中にはその衝動を犯罪行為に結びつける者もいよう。しかしこれは10代の少年少女なら誰しもが心の奥に秘める衝動であり、一部の人間のみの心のセラピーの話ではないと感じる。世間一般でロックやパンクが少年少女に聴かれるのは、このような内的衝動の音楽による昇華である。そしてその衝動がノイズという形式のアウトプットを得た時、それは余りに美しい雑音として立ち現れる。ティーンエイジャーのノイズは美しい。終演後の生徒らの歓声は、Bestの晒した内的衝動への、等身大の共感の現れであることに疑いはない。

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