Karlheinz Stockhausen – Kontakte


(Wergo/CD)

国内においての、シュトックハウゼンに対する言いがかり的誤解も解けた気のする昨今。この「Kontakte」は余りに有名なシュトックハウゼンの代表作であり、電子音とピアノと打楽器のための作品である。しかもWERGO盤はチュードアがピアノを演奏しているとあって、現代音楽のドリームチーム的な組み合わせとなっている。断続的に噴出し、唸る電子音だけでも異様な聴取体験をもたらすというのに、そこへチュードアの氷のように鋭利なピアノが接触する。総音列主義によって無機的な抽象音と化した器楽音は、元来抽象そのものである電子音と衝突し、緊張状態の中で複雑に絡み合う。電子音の音色の点からみても、当時のサイケにおける電子音使用、あるいは後世のテクノに与えた影響は計り知れない。
初期の電子音楽におけるシュトックハウゼンの試みは、その当時の技術のシンプルさと極端さ故に、結果としてノイズミュージックに近似していた。なぜならノイズミュージックは「方法」の誤用という重要な相を持ち、それは常に定型的な「方法」へのノイズ性として立ち表れる。そして音楽の歴史を顧みる時、「Kontakte」における技術のシンプルさと極端さは、その後の電子音楽の技術発展に対する異物として屹立し、結果的にノイズミュージックに近似する。奔放に爆発し拡散する電子音を、垂れ流し系ハーシュノイズと重ねて受け止めてみることも充分可能である。

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