Sibylle Baier – Colour Green


(Orange Twin Records/CD)

呟くような歌声にシンプルなアコースティックギターの伴奏。穏やかで優しい人間性が強く感じられるドイツのSSW、Sibylle Baierのプライベートフォーク作品。70年から73年にかけて録音され、当時は発表すらされなかった音源。ちなみに彼女はヴィム・ヴェンダース「都会のアリス」(1973)にも出演している。現実の穢れのなかでは生きられない、自分の小さな世界にて掌にすくいあげた幸福のみで満ち足り、短い一生をそれとともに歩むような…儚くも純粋な強さを持つ音楽である。近しい音楽家としてはやはりNick Drakeが挙げられる。両者とも夭折したという点においても。しかし若くして亡くなった彼女を哀愁やセンチメンタルというような言葉にて回収したくはない。この歌声のなかにある強さにこそ耳を傾けたいと思う。

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