ULVER – Nattens Madrigal


(Century Media/CD)

Ulverは、1stでフォーキーなブラックメタル〜2ndでトラッド&フォーク(しかもアコースティック楽器によって)〜3rdで劣悪音質のプリミティヴブラックをやって、最早ブラックメタルでやり残したことはないとでも言うかのように、その後トリップホップ〜アンビエント〜エレクトロニカ方面へ転身を果たしたバンドである。その後の作品はバンド上がりのユニットが電子音響なんかをやった場合によく有る、エレクトロニカ/電子音響としての脇の甘さを感じてしまい、一枚のみしか聴いておらずよく知らないのだが、1st〜3rdは全て素晴らしいと今でも確信を持って言える。一枚ごとにこれだけ方法論を変えていれば、ブラックメタルから離れるのも仕方ない。特にこの3rdはDark Throne三部作直系のプリミティヴブラックの傑作である。ジャリジャリした音質は勿論意図されたもので、シンプルでミニマルな楽曲がひたすら単調に走るリズムと重ねられ繰り出される。個人的には打ち込みを取り入れたブラックメタルよりも、こういったプリミティヴブラックにこそアヴァンギャルドらしさ、ノイズらしさを感じる。そのブラックメタルに踏みとどまりながらも、ブラックメタルから可能な限り逸脱するという所が、際どい魅力に満ちている。ブラックメタルを音楽形式として思考したバンドだからこそなし得た、理想型としてのプリミティヴブラック。ちなみに次作まではUruk-Hai(Burzum以前のVargのバンド)に一時関与したとされる、AiwarikiaR(Erik Olivier Lancelot)も在籍していた。

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