Jim O’rourke – Disengage


(Staalplaat/CD×2)

91-92年にかけて制作された、溺水をテーマとしたドローン、エレクトロ・アコースティック作品。2枚組。1枚目「Mere」は3章からなる組曲で弦楽器、管楽器、声、ベースによる徹底したドローン。即興集団Morphogenesisのマイケル・プライムも短波ラジオで参加。淡々とした持続音は変化や派手さとは無縁で、ひたすら暗く重苦しい。2枚目「A young persons guide to drowing」も2章からなる組曲。ウォーレン・フィッシャーとの共作(彼はヴァイオリンも演奏)。ゆっくりと寄せては返す、陰鬱な波を想起させるエレクトロニクスの織り成すドローンを中心に、水の音や電子音も交えながら曲は展開してゆく。特に電子パルスが無機質に冷たく鳴り響くパートは凄まじい緊張感と暴力性。後半は消えてしまいそうなほどに弱々しく震えるドローンに、軋むヴァイオリンが重なる展開。美しさではなく恐怖の対象としての水。鉛のように重く冷たい塩気のない淡水。静寂の中に潜む、人間的な感情を無視した暴力的な悪意としての自然。初期のオルーク作品には、どこか冷たく陰気な水のイメージが漂う。初期の傑作であり必携。

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