河口龍夫 -見えないものと見えるもの- @ 名古屋市美術館


2007/11/2
名古屋市美術館

「河口龍夫 -見えないものと見えるもの-」展の内覧を観に市美術館へ出かける。河口先生の展覧会は、今回は兵庫と名古屋にて同時開催されている。ここ名古屋での展示は、一階が概念に芸術を向かわせる中で、未成の存在を象徴するモチーフとしての種子に着目した作品群。二階が平面作品や、現象における関係性そのものを扱ったインスタレーションで占められていた。なかでも一室を使って設置された「関係—電流・種子のとき、化石の時」が特に良かった。個人的には河口先生の作品の中では観念的/概念的になった作品よりも、こういった現象性を全面に押し出した作品の方が好みである。
また地下では鉄板に巻いた布に錆を浮かび上がらせる綿布と鉄板による平面作品「《関係—質》」シリーズも展示されていた。一日中ここにいても飽きないような、静謐で美しい空間である。偶発的に、またある部分はコントロールされて生成した錆の痕跡は、その背後に潜む自然の諸関係を垣間見せる。
展覧会の会期中、観客の手によって二階吹き抜け部分から一階に落下し続ける種子が、時間の経過とともに堆く山を築くとのことなので、その最後の姿を展覧会終了日に確認したいと思う。
私にとっては河口先生の行って来られた仕事のなかでも、やはり1970年前後の「現代の造形・映像表現」における映像の使用は大きな意味を持っている。あの時期の関西で発生した極めて興味深い美術家の映像の展開において、河口龍夫が果たした意味は大きい。

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