若松孝二 – 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程


(Film, 190min, 2007)

寒空のなか、早朝から名駅裏のシネマスコーレへ行く。目的はもちろん若松孝二「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」を観るため。少々眠かったのだが、映画が始まってみれば目が醒め、どんどん引き込まれる。
実録というだけあり、字幕での解説やナレーションが随所で入る。全体としては群像劇なので、誰が主役という訳ではないのだが、冒頭パートでは遠山美枝子の視点に、山岳ベースのパート以降では加藤兄弟三男の視点に重心がおかれている。もっと監督の思い入れが前面に出された映画になるかと思っていたが、即物的な事実の描写と個人の視点を重視した映画となっていた(台詞も赤軍兵士の手記に基づいているようだ)。特に山岳ベースのパート以降の閉塞した空間においての展開は即物的であり、不合理な死がどんどん投げつけられてくる。この異様な加速感のまま、あさま山荘での銃撃戦のパートとなり、ラストでの加藤兄弟三男の視点にこの群像劇は収斂されてゆく。そして再びインパクトを与えるタイミングで記録映像の引用が行われ、その後の赤軍の動向が年譜として示される(足立正生の名前もそこにある)。同時代性と予感を感じさせながら、映画が現実と地続きとなる感覚。これぞ若松作品の特権である。未見の方も是非観て欲しい。
音楽についても述べておくと、オルークはごくごく普通の映画音楽をやっていた。この点に関しては残念。またバーのシーンでは「天使の恍惚」の挿入曲も引用されていた。

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