EARTH – Earth2


(Sub Pop/CD)

グランジの変異体であり、全く一般性を持たない様な音楽ながら、所属レーベルと、1stでの有名ミュージシャンの参加のため、案外よく知られているEarth。ドラムレス(メンバーはギターとベースのみ。一部でパーカッションは入る)という特異な編成で、殆どドローン化したような、引きずる様なストーナー/ドゥームを演奏する。バンド名からも分かるように初期Black Sabbathの影響色濃く、あの重い音楽性をさらにスロー化したサウンドである。「special low frequency version」との言葉通り、重さと遅さを極端化させるなかで、ドラムとヴォーカルを排し、ギターとベースのみによるインストを選択した彼らは、やはりユニークだ。またストーナー系列のバンドの持つ60~70年代ロック嗜好(特に歌い方)が肌に合わない自分としては、このEarthのインストは丁度いい。
ところで、いわゆるノイズのドローンものと、ストーナー/ドゥーム、スラッジのドローンものの最大の違いは、ロック的あるいはハードコア的な意味でのバンド演奏に留まっているか否かだと思う(ドローンそのものを演奏すること、即ちノイズ/実験音楽の領域に踏み込んでしまえば、やはりMirrorや永久音楽劇場の方が音響として高内容である)。
本作でのEarthは、なんとかロック的あるいはハードコア的な意味でのバンド演奏の領域に踏みとどまる。ギリギリのところでリフを繰り返し、ノイズ/実験音楽の領域に接近しながらも、安易にドローン化することを回避している(安易にドローン化してしまっては平凡な垂れ流しノイズと同じレベルになってしまう)。このように、ロックあるいはハードコアとして異物であり、ノイズ/実験音楽としても異物であること。ここがEarthの素晴らしいところだ(ちなみにEarthはAshのコンピ「Scatter」にも参加していたが、他のノイズ作家の音源と比較すれば、根底にあるものの違いは容易に分かろうかと思う)。
Earthは次作以降、音楽的な色気を出してしまうのだが、彼らが真価を発揮したのは、間違いなく本作においてであろう。

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