Of The Wand And The Moon – Sonnenheim


(Heidrunar Myrkrunar/CD)

軽やかで美しいDIJ直系のアコースティックギターの演奏に、穏やかに呟くようなヴォーカル。空高く掲げられ、風にたなびくジャケットのモニュメントのように、気高く天を仰ぐようにして歌われるパガン・ネオフォーク。このOTWATMは Kim Larsenによるユニットであり、本作ではForsetiのA.Ritterもヴォーカル、アコーディオンで参加している。A.Ritterの奏でる美しいアコーディオン音の皮膜は、俗世から演奏の場を聖別するかのようにして包み込む。このユニットの持つ親しみやすい普遍的な感触は、国歌や民謡のように、昔から民衆に歌い継がれてきた楽曲を思わせる。シングルで先行した「My Black Fate」(タイトルがちょっと変えられている)、「Hail Hail Hail」も収録。印象的なジャケット写真もKim Larsenによるもの。ルーン文字がエンボスされ、金色の印刷が施された美麗なアートワークも、自分達の民族的ルーツを尊重しようとする想いに満ち満ちている。民族主義、復古主義を誘導する文化装置としての音楽。それは、ある社会的機能を果たすと同時に、ある危うさも孕むものだろう。

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