FAUST (from GERMANY) LIVE IN TOKYO September 2008

Faust再来日の詳細が明らかになった。

前回の来日は大阪公演を観に行った。大阪ミューズホールでの記憶をたどってレヴューすると…

二時間押しで開場という事態であったが、会場に入って納得した。ステージにとどまらず、客席前方まで鉄パイプ、鉄板、チェーン、テレビ、ハンマー等々が散乱し、まるでノイバウテンかという工事現場さながらの状態。ステージ上には二つのドラムキット(メタルパーカッションが塔のように組み上げられたものと、ふつうのドラムキット)、シンセ類、そしてコンクリートミキサーが並ぶ。これでは準備に時間がかかるのも仕方ない。
まずは前座のマゾンナとソルマニア(ゲストヴォーカルも参加)が短時間で演奏を終える。明らかに客の多くがノイズに対してギャップと不満を感じているのが、雑談の中から感じ取れる。東京では非常階段とメルツバウ&カルコフスキーも出演していたらしいが、クラウトロックとノイズが共通するのは、あくまでノイズ側の聴き手の意識においてであり、一般的なプログレファンにとってはこのブッキングは苦行であったのかもしれない。
そしてFaustの登場となるが、ザッピのパーカッションによる機械的な反復のリズムのうえで、ギターやシンセによるノイズ等がダラダラと垂れ流されるという、ノイバウテンの悪影響下にあるインダストリアル寄りの演奏だった。それでも巨漢のザッピがせわしなく動き回りながら鉄を打撃し、グラインダーをかける様は迫力があった。また爆竹や花火も大量に使用し、ガラスも派手に割ったりしていて、それだけで見ていて面白い。クライマックスではTotEからのライブ盤そのままに、グレツキの楽曲をBGMにザッピがハンマーでテレビを破壊するという演出。こう書くと子供っぽい破壊パフォーマンスかと思われるかもしれないが、違う。そこにはもっとシンプルな、まるで壊すのが単純に楽しい的なバカバカしさ、あるいはダダ的精神がある。
しかしFaustの良さは、反音楽の部分とポップな部分が分裂したまま併置された捩じれた音楽構成にこそあったのであり、反音楽的なインダストリアルの部分のみ強調されたステージは若干もの足りなかったのも正直なところだ。
付け加えるなら終演後、ライブハウスのスタッフが「これどうするよ」って呆れていたのが気の毒だった。

今回の再来日は2ndからの楽曲もやるということなので、反音楽の部分とポップな部分が分裂したまま放り出されるFaustらしさを観ることができるのではないかと、大いに期待している。

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