坂田明&ちかもらち、ジム・オルークと恐山/内乱の内覧 2008@名古屋 TOKUZO

坂田明, Jim O’Rourke, Darin Gray, Chiris Corsano
2008/10/6
名古屋 TOKUZO

坂田明(As,Cl,Voice)、ジム・オルーク(G)、ダーリン・グレイ(B)、クリス・コルサーノ(Ds)という編成でのライブである。坂田明&ちかもらちと恐山が一緒になったということか。観てみてまず思ったのが、ダーリン・グレイが激しく聴かせるというより小物を使って工夫で聴かせるタイプのドラマーであり、それに対してクリス・コルサーノが、ちゃんとしたベースプレイに徹するタイプのベーシストであったということ。そして坂田明のユーモラスな、そして勢いと伸びのあるプレイにはやはり安定感がある。また坂田はヴォイスや地歌も織り交ぜて、伝統的な日本文化のパロディ的要素も取り入れる(特にグレイと二人で並んで鈴をチリンチリンと鳴らしていた静かなパートなどには、お化け屋敷のようなある種のユーモアが感じられた)。一方のオルークは、反則的な奏法によるノイズギターを演奏した。

開演して、まずは四人での集団即興。ここはまあまあフリージャズであったと思うのだが、次の静かな即興演奏になったあたりから、だんだんフリージャズではなくなってゆく。オルークの点描的なギターをエフェクターでループさせ、その上で皆が点描的な演奏をするパートや、坂田の演奏のバックで、残る三人がそれぞれの楽器を弓で弾くパートが面白い。そして坂田が手を止め、残り三人での即興パートになると、演奏はフリーロック的な怒濤の集団即興になる。やがて演奏が進み、坂田が叫んだり呻いたり、地歌を歌いだしたりしたあたりから、演奏はますます奇怪な世界へと突入してゆく。オルークのロックギタリストのようなやたらと熱い演奏や、オルークとグレイの楽器パートの交換や、ドラムを解体(片付け?)しながら演奏するコルサーノなど。

こういう逸脱した、笑いながら狂ってゆくような世界へ突入しながらも、ユーモアと演奏力ですべてまとめてしまう坂田の存在感(あるいはキャラクター性)がとても大きく感じられたライブだった。オルークの演奏も一人の即興演奏家としてみるのならば、充分楽しませてもらった。

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