Company – Company 6


(Incus/LP)

フリーインプロヴィゼーションを抽象的な音の構成としてとらえるのではなく、開かれた関係性を持った(開示された状態にある)、揺らめく音の群体としてとらえるとどうだろう。そうとらえるならばこのレコードは、聴くたびに新しい関係性をともなって音が立ち現れてくるような、豊穣な可能性の場所として機能するだろう。ここにはLeo Smith, Maarten van Regteren Altena, Evan Parker, Steve Lacy, Tristan Honsinger, Lol Coxhill, Anthony Braxton, Steve Beresford, Han Bennink, Derek Baileyという、総勢10名の演奏家が参加している。彼らは全員で集団即興を行う訳ではなく、各曲ごと2〜5名の演奏家の組み合わせによって演奏を行う。ここで聴ける組み合わせのヴァリエーションはなかなか楽しい。自分自身に対しても、他者に対しても、ひたすら連続性と関係性をずらして脱臼させてゆく、そのような行為の累積である。よってプレイヤーの自己表出は極めて希薄となる。ここに快感を覚えてしまえば、例えばA面1曲目「LS/TH/AB/SL/MR」やB面2曲目「MR/SL」の、断片が構成されずに累積してゆく演奏からは、驚くほど多くの経験が引き出せる。