『「芸術」の予言!!』!!


「芸術」の予言!! 60年代ラディカル・カルチュアの軌跡

近年、「ヤバい」という言葉に回収されるような単なる趣味嗜好のレベルにおいてではなく、より直接的な現在との関係性のレベルにおいて、60年代文化の再評価が進められているような気がするのだが、とうとう60年代文化の本丸であったフィルムアート社から、68年〜74年にかけて刊行されていた『季刊フィルム』『芸術倶楽部』の記事を再編集した書籍が刊行されるらしい。素晴らしい。
しかし我々は60年代文化の再評価を、歴史の確認という意味ですませてはならないのだと思う。60年代文化を、今の文化の歴史的なルーツとしてではなく、参照点として読み替えることこそ、現在において求められてくる。大きな歴史の終わりと、記号化と拡散の時代のはじまり。その両者の狭間に存在した60年代とは大きな転形期であった。そこで付された問いとは、あらゆる既存の価値観を問い直すものであった。この強烈な問いは、現在においてこそ有効であろう。
またこのような動きは、美術手帖「創刊60年記念特大号」において完全に欠落していた(あるいは編者により隠蔽されていた)視点を明らかにする良い契機にもなると思う。
あとは第二次『映画批評』についても、どこかの出版社に総集編を刊行して欲しいと思う。第二次『映画批評』も60年代文化を考える上で、『季刊フィルム』と同じくらい重要な雑誌である。どちらも欠けてはいけない。時代の全体像を見るためには。

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