Vital Signals:日米初期ビデオアート上映会-芸術とテクノロジーの可能性-

Vital Signals:日米初期ビデオアート上映会-芸術とテクノロジーの可能性-

ポール・マッカーシー《黒と白のテープ》1970-75年/Paul McCarthy.“Black and White Tapes,”1970-75. Courtesy of the artist and Electronic Arts Intermix(EAI),New York

ヴァイタル・シグナル
60年代から70年代における日本とアメリカのビデオアート
日本とアメリカの初期ビデオアートをめぐるプログラム「ヴァイタル・シグナル」では、1960年代から70年代にかけて、両国において映像メディアが並行して展開した注目すべき動向に焦点をあてます。この時期、ビデオアートの先駆者たちは世界中の主要な都市に彼らの試みを支えるためのコミュニティを形成しましたが、同時に国際的な文化交流に対する強い関心を抱いてもいました。ビデオというメディアの発祥地である日本は、とりわけ重要な位置を担います。60〜70年代にかけて日本とアメリカのアーティスト間では多くの交流がなされ、影響を与えあい、彼らがビデオを通じて生み出した表現には確かな同時性を見ることができます。とりわけテレビへの関与や、独立した社会批判としてのビデオの使用といった点において、思考の親近性を見てとることができるでしょう。
本プログラムは、これまで上映される機会のほとんどなかった、日本及びアメリカのビデオアート黎明期の代表作を、3つのセクションに分けて紹介し、その独創性に富んだ試み、現代の美術作品につながる先駆的な表現を、新たな技術に触発され生まれた芸術形態をめぐる諸問題と共に考察します。
*「ヴァイタル・シグナル」は、エレクトロニック・アート・インターミックス(EAI)が、横浜美術館、および日本のキュレーターや研究者たちと連携し、EAIの所蔵作品とともに、日本の初期ビデオ作品を紹介するものです。EAIは1971年にニューヨークに設立された非営利芸術機関で、ビデオアートをサポートし、配給する目的で設立されたアメリカで最初の組織の一つです。
 
会期:2009年7月18日(土)~7月20日(月・祝)
会場:地下1階ミュージアムスタジオ
料金:入場無料
主催:広島市現代美術館
特別協力:アメリカ大使館
協力:Electronic Arts Intermix(EAI)、横浜美術館

上映プログラム:
7月18日(土)15:00~
Section1
テクノロジー:新しい視覚言語  
フィルムに比べ、手軽に操作できるというビデオの特性が可能にした表現に注目します。アーティストは、撮影すること、出演すること、そして、その行為によって生まれる映像、という要素の関係について考察を繰り返し、そして、それらを巧みに関連づける操作によって、関係性自体に注意を促す作品を生み出しました。
9タイトル 総上映時間 77分36秒
ナムジュン・パイク/山本圭吾/ジェイムズ・バーン/飯村隆彦/ジョーン・ジョナス
7月19日(日)14:00~

Section2
オルタナティヴ・メディア:コミュニケーションの変容  
アーティストや活動家たちは、ビデオというコミュニケーション・ツールを当時の社会的・政治的出来事の記録や、それに対する発言においても活用し、新しいメディアとして活用します。さらには、より個人的、また抵抗的な形で、文化的独占状態にあるテレビの地位をゆるがすべく、それを破壊的なツールとして用います。
8タイトル 総上映時間 82分12秒
ナムジュン・パイク&ジャド・ヤルカット/中谷芙二子/松本俊夫/デイヴィッド・コート/ビデオアース東京/ダラ・バーンバウム/クリス・バーデン/TVTV
7月20日(月・祝)14:00~

Section3
パフォーマンス:行為の記録、身体の記録  
身体表現と深く関わった作品を紹介します。単なるパフォーマンスの記録を超えて、アーティストは身体的、情動的身ぶりを肉体という限界をこえて拡張するため、しばしばビデオを利用します。ビデオのもつ映像装置としての技術的可能性は、一方でドキュメンタリーを構成し、もう一方で映像としての造形面を構成するための操作を可能にします。
8タイトル 総上映時間 62分47秒
ヴィト・アコンチ/ポール・マッカーシー/村岡三郎+河口龍夫+植松奎二/ジョーン・ジョナス/出光真子/ブルース・ナウマン/アンテ・ボザニッチ/和田守弘

アーティスト〈プログラム登場順〉:
ナムジュン・パイク Nam June Paik
山本圭吾 Keigo Yamamoto
ジェームズ・バーン James Byrne
飯村隆彦 Takahiko Iimura
ジョーン・ジョナス Joan Jonas
ジャド・ヤルカット Jud Yalkut
中谷芙二子 Fujiko Nakaya
松本俊夫 Toshio Matsumoto
デイヴィッド・コート David Cort
ビデオアース東京 Video Earth Tokyo
ダラ・バーンバウム Dara Birnbaum
クリス・バーデン Chris Burden
TVTV
ヴィト・アコンチ Vito Acconci
ポール・マッカーシー Paul McCarthy
村岡三郎 Saburo Muraoka
河口龍夫 Tatsuo Kawaguchi
植松奎二 Keiji Uematsu
出光真子 Mako Idemitsu
ブルース・ナウマン Bruce Nauman
アンテ・ボザニッチ Ante Bozanich
和田守弘 Morihiro Wada

講演会:
7月18日(土)13:30~15:00
「反復のなかへ:ビデオアートと社会空間」
講師:阪本裕文(稚内北星学園大学講師、本上映会キュレイトリアル・アドバイザー)
会場:地下1階ミュージアムスタジオ
聴講無料

———-
アメリカのEAIが、横浜美術館、および日本のキュレーターや研究者たちと連携し企画した「Vital Signals:日米初期ビデオアート上映会-芸術とテクノロジーの可能性-」が、広島市現代美術館より国内巡回を開始します(海外でも巡回の予定です)。日本とアメリカのビデオアートの歴史を体系化するような、極めて重要な企画となるはずです。
私は日本側作品の選出に関わらせて頂きました。三年前に名古屋で開催した「初期ビデオアート再考」のアップデートバージョンとなる内容です(広島では都合により、プログラムが一部縮小されるのですが、講演のなかでフォローを行なう予定です)。今後、国内主要都市の大学、美術館を巡回してゆく予定ですので、お近くを巡回した際には、是非ご覧下さい。

Advertisements