伊藤高志映画作品集 DVDリリース

伊藤高志の作品集がDVD化されるらしい。
http://www.imageforum.co.jp/ito/index.html
http://www.imageforum.co.jp/ito/dvd.html

しかも、単なるビデオ版のDVD化ではなく、ビデオには収められなかった『スクリュー』『写真記』『写真記 87 』、過渡期の作品である『悪魔の回路図』『ミイラの夢』『ビーナス』が、そして近年の作品である『めまい』『静かな一日・完全版』までもが収録される。さらに、ダンスとのコラボである「 DOUBLE/ 分身」の記録映像や、インスタレーションの記録映像なども収録される。これならば、遥か昔、学部生時代に教わったことがあるという理由からだけではなく、内容的にも充分に買い直す必要性があるだろう。
伊藤高志は、昔、雑談のなかで『悪魔の回路図』『ミイラの夢』『ビーナス』が過渡期の作品であったと、やや否定的に評していた。しかし、私にはそれらが、前期作品における緻密な再撮による形式主義が、ほぼ洗練の極点に至った、充分に広く観られる価値のある作品群に思えていたので、今回の収録はとても嬉く思う。特に『ミイラの夢』は、その移動性と速度において新鮮な映画的経験を与えてくれる作品であり、『ビーナス』は差延的なブレを大量に孕みながらメタ空間を幾重にも構築し、延々と周回し続けるというユニークな作品である。そこには親しい他者を異物として捉え直すシュルレアリスム的視点が存在しており、それは『ビーナス』というタイトルとのズレによって決定的な違和感を観る者に残す。これらは前期作品の形式の洗練と、後期作品の日常という薄い皮膜の向こう側を凝視するシュルレアリスム的視点の狭間にある作品であると思う。
ちなみに私が伊藤高志の作品で最も気に入ってるのは『DRILL』である。

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