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悪寒がするためコートを着たままでベッドに入って、翌日の昼過ぎまでうなされる。しかし、まだNYでの目的を果たしていない。着替えてから風邪薬を飲み込んで、気合いで3時過ぎにホテルを出る。NYの天気はまだ雨模様。まずはタクシーでアンソロジーへ。事前にここのアーカイブを見せてもらいたいと、日本を発つ前にアポを入れておいた。しかし、時間をはっきり指定していなかったために、タイミング悪くちょうど担当者が外出中とのこと。待たせてもらうのも辛い状態だったので次の機会にさせてもらう。実際アーカイブを見せてもらっても、この状態では何も出来なかったと思う。カウンターにあったFilm Cultureの持っていないバックナンバーを何冊か購入して次の場所へ向かう。以下はアンソロジーの外観。

次に、歩いて近所にあるHospital Productionへ。ここはハーシュノイズ作家のPrurient(Dominick Fernow)がやっている、ノイズとブラックメタル専門のレコードショップ兼レーベルである。ブラインドが下りていて、外からは何の店なのか全く分からない怪しさ。店内に入ると真っ赤な壁面に、ボロボロのギターによるジャンクオブジェ、武器などがレコードと一緒に飾られている。しかも、店に入った時に流れていたアルバムはBurzum「Hvis Lyset Tar Oss」。全くもって素晴らしい店だ…。好みが合い過ぎて困る。ざっくりとレコードとCDをチェックして、CDを2枚購入。壁一面並んでいた膨大な量のカセットテープは、さすがにチェックする気力がなかった。「Burzumの新作は聴いたか?」と、店内に並んでいた「Belus」を指差しながら聞かれたので、「勿論、素晴らしかった。」と答える。気になったのが店内にライブ関係のチラシとともにアンソロジーのプログラム冊子が置いてあったこと。このようなノイズやアンダーグラウンド音楽と実験映画が、同じ層に受容されているという事実に素直に感動した。今度はゆっくり訪れたい。


次に、開いている日ではなかったのだが、どんな場所にあるのか一応見ておこうと思って、Milleniumまで歩いて移動。Millenium Film WorkshopもNYにおける代表的な実験映画の上映場所である。「Vital Signals」のNY巡回上映もジャパン・ソサエティーと、ここで行われた。玄関に張り出されていた3/27のスケジュールに、トニー・コンラッドの近作特集上映の文字があったのだが、観に行くことができなくて大変悔しい。このためにだけに一時は航空機のチケットを変更しようとまでしたのだが…。

また体調が悪くなってきたので、すぐに最後の目的地へ向かう。タクシーでギャラリーが立ち並ぶハドソン川沿いのチェルシーへ移動。とあるビルの5階にあるElectronic Arts Intermix(EAI)を訪ねる。EAIはアメリカでも有数の、ビデオアートを専門とする非営利配給組織である。以前から会う約束をしていたが、ここで私はようやくEAIのスタッフの方に会うことができた。EAIのスタッフと、広島現美の神谷さんと、横浜美術館の松永さん、そして作家の方々。「Vital Signals」は皆さんの仕事だと思う。私はここに関われたことを幸いに思う。NYの印象、アメリカと日本の文化観や歴史観の違い、現代音楽やフリージャズのことなど、しばらくスタッフの方と会話する。もっとゆっくり話していたかったのだが、体調がそろそろ限界だったので、再会を約束してタクシーでホテルへ戻る。

そして、また翌朝まで寝込む。昨日からほとんど何も食べていない。

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