Technicolor Skull

国内でも再評価の進むケネス・アンガーだが、アンガーと音楽の関係は深い。神秘主義と、サイケデリアと、モラルに抵触するようなアンダーグラウンド文化(それは商品化されたサブカルとは本来同質化されないものだ)を混ぜ合わせたそのフィルムは、音楽という抽象化された媒介を経て、オカルトすれすれの精神世界を垣間見せる。そんなアンガーだが、近年は自分自身を含むユニット Technicolor Skull としても音楽活動を行っており、そのレコードが近々リリースされるらしい。
http://technicolorskull.com/releases
それをリリースするのは、アンガーの映画世界をそのまま具現化したようなリリースを行っているレーベル、Ajna Offensiveである。Ajna Offensiveは、Ultraのようなノイズと、Deathspell OmegaやFuneral Mistのようなブラックメタルを並行して扱いながらも、それらを安易にミックスするのではなく、表層的な音楽形式の内奥にある共通背景において繋ぎ合わせるような、希有なレーベルである。ここ程、アンガーのレコードをリリースするに相応しいレーベルもないだろう。( Bobby Beausoleil – The Lucifer Rising Suite も過去にリリース済み。)

アンガーをビザールなファッション商品として消費するのもいいが、性的倒錯、大衆紙的な低俗ゴシップ、ヘルズエンジェルズ、魔術、ドラッグといった、アンガーの映画や著作に表れるモチーフが観客に幻視させるオカルトすれすれの精神世界を、どのようにしてある種の共同体への糸口として読み替えるのか。私がアンガーの映画に惹き付けられる理由は、それに尽きる。それは、単なる露悪趣味などとは全く異なる。それは一部のノイズやブラックメタルに見られる、自分自身を無価値なものとして、価値の外部に投げ捨てるような姿勢と、大いに共通性を持っている——むしろ同質であるように思う。

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