Fujiko NAKAYA – FOG 霧 BROUILLARD


Anarchiveが出版した中谷芙二子の作品集が届いた。レヴューは追って書くつもりだが、まずはDVDに『卵の静力学』と『総持寺』、そしてDVD-ROMに霧の彫刻の記録映像(ペプシ館を含む)が収録されていることを記しておく。

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ブラックメタルとスケートボード


ブラックメタルをサウンドトラックにスケートを行うカナダの覆面集団 BARRIER KULT(BA.KU.)のことを知る。スケーターカルチャーについては門外漢ですが、ブラックメタルを路上の音楽として把握することに違和感を覚えない人ならば、この組み合わせには思わず快哉を叫ぶはず。Tシャツやパーカー、部品なんかも結構輸入されてるみたいです。

ところでカナダといえば、ハーシュ・ノイズをやっている The Rita の別名義で BT.HN. というユニットが存在しているが、このユニットは過去に BA.KU. と名乗っていた。大体この辺りが繋がっているのだろうか…? スケート、ブラックメタル、ノイズ…この辺りを繋ぐような文化受容はなかなか面白い。

風景/仮象―ジェームス・ベニング特集

《風景/仮象―ジェームス・ベニング特集》
現代アメリカの実験映画の最前線を走り続ける作家、ジェームス・ベニングの近作を上映。2009年よりハイビジョン撮影による制作に移行し、新たなフェーズへ突入したベニングの映画に、今こそ対峙したい。
http://www.doshisha.ac.jp/students/support2/kaprog/wot/

11月8日(木)

16:00 『ルール』Ruhr(2009年/ドイツ/121分/カラー)
『ルール』は、ベニングが始めてアメリカ国外で撮影した作品であり、ルール地方へ向けられた一アメリカ人アーティストの眼差しである。デュイスブルクをはじめ、彼は幾度もの旅で、かつての労働強化地帯を訪れる。ベニングにとっての文化と労働の定義が、常に作品の中心に据えられている:それは、労働から立ち現れる文化、文化と芸術を生み出す労働、社会にとっての文化の定義を決定づける、芸術作品としての労働といったものである。

18:30 『ナイトフォール』Nightfall(2012年/アメリカ/98分/カラー)*日本初上映
本作は、昼から夜へと移ろいゆく、リアルタイムの光にまつわる作品である。カリフォルニア・シエラネバダ山脈の高地にある森の中で撮影された。

料金:一般1300円、Hardience会員・他大学生1000円
*1日通し券/入替なし

京都の同志社大学で開催される上映会「風景/仮象 ジェームス・ベニング特集」の配布物のために、短い文章を書きました。現代アメリカ実験映画の代表的作家の一人であるジェームス・ベニングの近作を上映する興味深い企画です。ベニングの風景映画を、情緒的な眼差しにおいてではなく、観るということを問い直す冷徹な分析者の視線において捉えようとする企画者の心意気に共感します。『ルール』は去年の恵比寿映像祭で国内上映済みですが、『ナイトフォール』は国内初上映です。かなり極端な作品なのでキツいところもあるかもしれませんが、この作品を注視することは、観るということの意味を問い直す契機になるはずですので、お近くの方は是非。

ギャラリーコンサート「松本俊夫の映画音楽」の報告

去る10月14日、久万美術館において、「白昼夢 松本俊夫の世界」の関連イベントとしてギャラリーコンサート「松本俊夫の映画音楽」が催された。

松本俊夫の実験映画に付けられた音楽は、どれもひとつの作品としても独立して聴ける程に完成されているのに、いまいち陽が当たっておらず、映画のついでに語られる程度のような気がして、『日本の電子音楽』の著者として知られる川崎弘二氏に今回のイベントをお願いすることになった。


コンサートに先立って行われたワークショップ「松本俊夫作品における映画音楽の作り方」では、コンサートの音響を担当して頂く能美亮士氏が持ち込んだテープエコー(Roland Space Echo RE-201)やオープンリールを使用して、テープ音楽の技法的な解説が行われた。その後、ワークショップ参加者の皆さんが鋏と物差しを使いながら、無作為に選ばれたテープを繋ぎ合わせるという『白い長い線の記録』で用いられた制作プロセスを体験してゆく。作品の受容において技術の理解は不必要であるという意見もあるだろうが、このようにテープ音楽の初歩的な制作プロセスをある程度体験することで、初めて実感できる部分が存在することも確か。それは作家が体験したと思われるプロセスを追体験するなかで、当時のメディアに固有な特性、すなわち限界や制限を、多少なりとも理解することに他ならないと思う。そのような限界や制限こそが作品を媒介したのだと言えるのだから、それらを追体験することも、また有意義だろう。そんなに固く考えなくともワークショップは工作的で楽しいものだった。こうしてワークショップを終えた我々は展示室内に移動して、川崎氏のプレトークを聴いてから、5台のスピーカーに囲まれて「松本俊夫の映画音楽」に対峙することになる。




今回、私はこれらのスピーカーをセッティングするリハーサルを見学することができたのだが、1chから5chまで、楽曲ごとにバラバラなチャンネル数のパラ音源をどのように配置するかという決定プロセスは、見学していて、とても興味深いものだった。また、能美氏は今回のコンサートのためにスピーカーやアンプは勿論のこと、5chの自作ミキサーまで持参しておられ、この領域に関わる人間の凄さを垣間見た気がした。上演曲目は以下の通り。

湯浅譲二作曲
「『白い長い線の記録』の音楽」
「ホワイト・ノイズによる『イコン』」
「スペース・プロジェクションのための音楽」

一柳慧作曲
「『色即是空』の音楽」
「『エクスパンジョン』の音楽」

まずは前半、湯浅譲二の作品が3曲続く。器楽音をもとにしたテープ作品である「『白い長い線の記録』の音楽」は、グラフィカルな視覚的表現が追求された本編の映像なしで聴くと、テープ加工された器楽音のバリエーションに改めて驚かされた。

「ホワイト・ノイズによる『イコン』」は、シャープなホワイトノイズを緻密に配置・構成したテープ作品であり、本日の上演作品のなかで、楽曲が先に発表された唯一の作品である。この作品は1969年に代々木体育館で開催された「クロス・トーク/インターメディア」のプログラムのなかで、拡張映画/インターメディア作品である松本俊夫の『イコンのためのプロジェクション』と併せて上演されている。『イコンのためのプロジェクション』の記録が殆ど残っていないので、その時の状況は想像するしかないが、能美氏の入念なセッティングによって、5chによる空間的な拡がりを感じ取ることが出来たように思う。

「スペース・プロジェクションのための音楽」は大阪万博せんい館での『スペース・プロジェクション・アコ』のためのテープ作品である。別室で展示されている『スペース・プロジェクション・アコ』の記録映像と切り離して、音のみに聴き入ると、複雑に構成された緊張感のある音の断片に、改めて圧倒される。特に引き延ばされた持続音に電子変調された人声が突然差し込まれたり、後半の激しい電子音のパルスが連続する辺りの展開が素晴らしいと思えた。

後半は一柳慧の作品となるが、緊張感のなかで激しさと静寂が配置されていた湯浅作品とは異なり、かなり異色な楽曲が並ぶ。「『色即是空』の音楽」は、拍子木のリズム、祭り囃子、シタール演奏、チープな電子音といった素材音源が重ね合わされ、緩やかに移行してゆくテープ作品である。激しいフリッカーを伴う本編の映像と併せて観ると、かなり強烈な眩暈を引き起こすサイケデリックな作品なのだが、音のみに聴き入ると、かなりシンプルかつポップな作品であったことに気付かされる。最小限のコラージュしか行っていないのに、素晴らしいトリップ効果を上げていると言っては褒めすぎだろうか。

そして最後は「『エクスパンジョン』の音楽」である。この作品は、もう現代音楽なのかどうかなんてどうでも良くなってくる、グダグダのジャーマンロックのような楽曲である。しかし、サイケデリックなだけの異色作という訳ではなく、バンド演奏に折り重ねられた空間を埋め尽くすような電子音の集積などは、テープ音楽の一種として聴くとなかなか面白いと思う。最後の締めとしても最適だったのではないだろうか。

コンサート全体を振り返ってみると、もちろん映画とはイメージとサウンドが別物でありながら重ね合わされることに大きな意味がある訳だが、今回は敢えてイメージから音楽を独立させることが試みられていたのだと言える。それによって音楽そのものの姿が明確になり、翻ってその楽曲が映画に付けられていることの意味——映画に対する音楽の位置を考え直す契機になったのであれば幸いです。

ギャラリーコンサート「松本俊夫の映画音楽」


ギャラリーコンサート「松本俊夫の映画音楽」
ワークショップ「松本俊夫作品における映画音楽の作り方」
http://www.kumakogen.jp/culture/muse/event.html

久万美術館で開催中の「白昼夢—松本俊夫の世界」展に関連して、「日本の電子音楽」編著者である川崎弘二氏、音楽家の能美亮士氏をお迎えして、ワークショップ「松本俊夫作品における映画音楽の作り方」とコンサート「松本俊夫の映画音楽」が開催されます。このイベントは、松本俊夫の実験映画やインターメディア作品から音楽のみを取り出して、最良のマスター音源を最良の環境で鑑賞しようという試みです。川崎弘二氏が関わっておられる電子音楽コンサートである「黛敏郎の電子音楽」、「篠原眞の電子音楽」の番外編といったところで、湯浅譲二と一柳慧の作品が上演されます。楽器音と電子音によって構成された緊張感のある湯浅作品と、サイケデリックロックとインド趣味と電子音が渾然一体となった一柳作品の対比によって、両極端な電子音楽の世界が楽しめます。ワークショップとコンサートは展覧会チケットでご覧になれます。

ちなみに、「現代音楽における電子音楽やテープ音楽のコンサートって、一体何を観るの?」と思われるかもしれませんが、演奏者がいない作品の場合は特に観るものはありません。こんな感じです。今回、映像は流すんでしょうか…?

・ワークショップ「松本俊夫作品における映画音楽の作り方」

作曲家・湯浅譲二は、松本俊夫作品のために多くの映画音楽を手掛けました。代表的な作品として、大阪万博にて松本が総合ディレクターを務めた「せんい館」で上演された「スペース・プロジェクションのための音楽」や、劇映画「薔薇の葬列」などが挙げられます。本ワークショップでは、松本と湯浅が初めてコラボレーションした1960年のPR映画、「白い長い線の記録」で試みられた映画音楽の実験的な製作技法に迫ります。参加者の方々には、録音された現実音を電気/電子的に変調する技法、そして、切断された録音テープをランダムにコラージュする不確定的な作曲技法などを体験していただきます。

講師:能美亮士(音楽家)
司会:川崎弘二(批評家)
日時:2012年10月14日(日)14時~15時
場所:当館研修室

・ギャラリーコンサート「松本俊夫の映画音楽」
松本俊夫の実験映画は、現代音楽の作曲家たちとの共同作業を通じて生まれた作品群でもありました。新しい芸術の地平を音によって開拓しようとした、湯浅譲二や一柳慧による松本作品のための音楽には、独立した音楽として上演や聴取が可能な作品も含まれています。本コンサートでは、松本俊夫の映像作品やインターメディア作品から「音楽」の要素のみを抽出し、コンサート形式で鑑賞していただきます。

演奏曲目
湯浅譲二作曲
「『白い長い線の記録』の音楽」
「ホワイト・ノイズによる『イコン』」
「スペース・プロジェクションのための音楽」
一柳慧作曲
「『色即是空』の音楽」
「『エクスパンジョン』の音楽」

音響:能美亮士
日時:2012年10月14日(日) 15時30分~17時
   15時30分~ プレトーク(川崎弘二による作品解説)
   16時~17時 コンサート
場所:当館展示室

アートシーン

10月7日放送のEテレ「日曜美術館」内のコーナー「アートシーン」にて、「白昼夢—松本俊夫の世界」が紹介されました。短い時間ですが、HDでテレシネされた『モナリザ』、『ファントム』、『つぶれかかった右眼のために』、『スペース・プロジェクション・アコ』、『アートマン』が公共の電波に乗った訳で、なかなかの快挙ではないかなと思います。Eテレの「日曜美術館」公式サイトでも、久万美術館へのリンクが紹介されています。
http://www.nhk.or.jp/nichibi/art_scene/index.html

放送は見逃したけどiPhoneを持っているという方は、こちらから放送と同じコンテンツが視聴できます。アートカフェが提供しているiPhone用のアプリで、過去に放送されたアートシーンがまとめられています。11月から有料ですが、10月末までは無料で視聴できるそうです。
http://www.museum-cafe.com/special/8206.html

FROM [+] SCREENING PROJECT JAPAN


ウィーンのTOP KINOにて、本日、[+]の面々によるプログラムが上映されます。上映作品は以下のとおりです。

Program 1: FROM [+] SCREENING PROJECT JAPAN
http://www.topkino.at/jart/projects/top-kino/main.jart?rel=de&reserve-mode=&content-id=1107195251358&verid=1346677565700
・SAILING ACROSS IMAGES by Shinkan Tamaki (2012, 15min)
・EMBLEM by Rei Hayama (2012, 16min)
・WHILE WE ARE HERE by Makino Takashi (2009, 15min)

Program 2: MAKINO TAKASHI
http://www.topkino.at/jart/projects/top-kino/main.jart?rel=de&reserve-mode=&content-id=1107195251358&verid=1346677566664
・EVE (2002 3min)
・STILL IN COSMOS (2009 17min)
・EMAKI/LIGHT (2011 16min)
・GENERATOR (2011 19min)