最北端から東京までの旅程

最北端から東京までの旅程において窓の外に目を向けてみる。すると地方が押し付けられてきたものを、まとめて見ることができる。いつもこんなものを見ていると、否が応にも日本の国土の小ささと、都市と地方の不均衡を実感させられる。これについて、感じたことを少し書いてみたい。

まず、飛行機代の節約のため、数時間かけて列車で札幌か旭川に出る。この途中で高レベル放射性廃棄物の地層処分についての研究を行っている「幌延深地層研究センター」がある幌延町を通過する(窓の外に建物自体が見える訳ではないが)。ここは20年間の研究期間のなかで、放射性廃棄物を地中深く埋める研究を行っている施設である。土壌に水が多いため、2月には掘削中に大量の地下水とメタンガスが噴出するという出来事があり、地層処分には不向きな土地であるといえる。

深地層研トンネルで大量出水 メタンガス噴出も : 北海道発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)2013年2月16日
 日本原子力研究開発機構の幌延深地層研究センター(幌延町)の掘削中トンネルで2月初旬、メタンガスの噴出と大量の出水があり、掘削工事を中断していることが14日、分かった。水はトンネル切り羽から出ており、一時は1時間当たり最大60立方メートル出ていたが、水を止める工事を進めた結果、14日現在、約20立方メートルまで下がっている。同センターは、大量に出水した点について「地下水の多いところで研究を行っているため」としている。
引用元: 深地層研トンネルで大量出水 メタンガス噴出も : 北海道発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)※リンク切れ

一応、「研究実施区域は将来とも放射性廃棄物の最終処分場とはせず、幌延町に放射性廃棄物の中間貯蔵施設を設置することはありません。」という取り決めで研究が進められている。ちなみに、つい昨日、実物大熱源による地層処分の埋設実験を行うことが報じられた。

北海道・幌延に模擬廃棄物を埋設 来年度に深地層研、実物大熱源で試験(北海道新聞 07/19 06:10)
 高レベル放射性廃棄物の地層処分方法を研究する日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センター(宗谷管内幌延町)が来年度、廃棄物に模した熱源を地下坑道に埋設する試験を始めることが、18日分かった。実際の処分と同じように特殊な粘土などで埋め、熱や地下水の影響などを調べる。本格的な埋設試験は国内で初めてとなる。
引用元: 北海道・幌延に模擬廃棄物を埋設 来年度に深地層研、実物大熱源で試験-北海道新聞[道内]

次に、新千歳空港もしくは旭川空港から飛行機に乗って羽田に飛ぶ訳だが、その航路のなかで、下北半島の真上を通過することになる。ここで窓の外に見えるのが美しい青森県の景色と、使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出すための施設「六ヶ所再処理工場」である。尾駮沼の沿岸に立地しているので見つけやすい。奥に見えるタンク群は「むつ小川原国家石油備蓄基地」。

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そして、福島県は郡山市のちょうど上空あたりを通過して、羽田に到着する。羽田に到着すると、曜日によってはそのまま官邸前に行ったりするので、新橋で電車を降りて永田町まで歩く。歩きながらアフターファイブを楽しむ背広姿のサラリーマンたちとすれ違い、東電本社を目にする。ここは同じ国なのかというほどの落差を感じる。同じ社会じゃないみたいだ。

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