クリス・マルケルのDVDリリース状況

自分の置かれてる条件が違えば、長い休みを取って山形国際ドキュメンタリー映画祭にマルケルを観に行くことも出来たのだろうが、やっぱり観に行けそうにない。平日含め一週間かけてマルケルの映画を地方都市で上映するなんて、時間と研究費のある大学教員か、私生活を映画に差し出したハードコアな観客でもなければ観に行くことは困難だ。そして自由な時間と潤沢な研究費、どちらも自分は持ち合わせていなかった…。

とにかく、今年の山形国際ドキュメンタリー映画祭におけるクリス・マルケル特集「未来の記憶のために―クリス・マルケルの旅と闘い」は本当に素晴らしい。『ラ・ジュテ』の印象が強いマルケルを、ドキュメンタリー映画作家として全体的に捉え直す試みになっている。アンスティチュ・フランセは、同様のマルケル特集を東京でもやってくれないだろうか。心の底から悔しいので、切にお願いします。

余りに悔しいので、マルケルのDVDリリース状況を調べてみたところ、近々このようなボックスがリリースされるらしい。これは紀伊國屋辺りが日本語字幕版を出さなければ許されない物件だと思う。他にも『北京の日曜日』+『シベリアからの手紙』、『オリンピア ’52』等の作品も、DVDリリースの予定に挙がっている。意外とマルケル作品のDVD化は進んでいるようだが、それでも今回の山形を逃すと次はいつ観られるか分からない作品の方が多い訳で、やはり悔しい。

・Chris Marker – Coffret 10 DVD
http://video.fnac.com/a6240006/Chris-Marker-Coffret-10-DVD-DVD-Zone-2
1- La jetée
2- Le joli mai
3- Loin du Vietnam
4- La solitude du chanteur de fond
5- Le fond de l’air est rouge
6- Sans soleil
7- A.K.
8- Mémoires pour Simone
9- Le tombeau d’Alexandre
10- Chats perchés

追記:
知人が山形に行ってきたと言うので、何を観てきたのか聞いてみた。するとマルケルだけ観てきたという。しかも彼は恵まれたポジションにある大学教員はないので、全て自腹で、平日の時間を割いて観に行ってきたという。私生活を映画に差し出したハードコアな観客が、すぐ身近にいたことに感動した。本気でリスペクトだ…。

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音楽ネタいくつか

Steamroom9
・Jim O’Rourke – Steamroom 9
http://steamroom.bandcamp.com/album/steamroom-9
ジム・オルークのデジタルアルバムが追加されたとRSSリーダーに通知が入っていたので、さっそく確認してみたところ、最初のLPである『The Ground Below Above Our Heads』のデジタル版が再発されていた。インプロでも歌ものでもない、緻密なテープ音楽。本作はオルークのディスコグラフィー的に重要な作品なので、今こそ聴き直されるべきだと思う。価格は7$ですが、Bandcampなので全編試聴できます。

・Vatican Shadow – Remember Your Black Day
Vatican Shadowとして知られるドミニク・フェロウの新作『Remember Your Black Day』が、10/21にリリースされるらしい。上記はそのサンプルとして公開されたトラック。Prurientが、ネガティヴなパワーエレクトロニクスからリズミックでインダストリアルなテクノに変貌するのは、2011年の『Bermuda Drain』辺りからだったと思うが、同時期に本格化したVatican Shadowとしての活動も含めて、この変化は大変面白い。ここではノイズ・インダストリアル、パワーエレクトロニクス、テクノ、ブラックメタルといった、ドミニクが通過してきた複数の異質な文脈が包括的に把握されるている。今が旬だと思うので、誰か日本に呼んでくれないだろうか。


ついでに、デジタル雑誌「self-titled」のウェブサイトを漁っていると、いくつか面白いミックスを発見した。まず、上記は元々fabricのウェブサイトにて公開されたVatican Shadowのミックス。トラックリストを見れば、そのユニークな視点が理解されると思う。



そして、同じく「self-titled」のウェブサイトにて2点の興味深い音源を発見。Blackest Ever Blackショーケースのためのミックスと、トニー・コンラッドの最近のライブ録音

音楽は個人的な楽しみなので、こうやって、ああだこうだと書いていると本当に気が休まる。本業について調べたり書いたりするのは、このごろ少ししんどい…。