Vertical Cinema @ International Film Festival Rotterdam

DEORBIT from Sonic Acts on Vimeo.

今年のロッテルダム国際映画祭には、「Vertical Cinema」のプログラムが持ち込まれる(当初、上映は1/24の一回のみだったけど、追加で二回上映になった模様)。大変貴重な機会だと思う。過去のエントリーでも書いたように、これは35mm映写機を横倒させるかたちで設置し、垂直に立てられたシネスコのスクリーンに映画を投影するという試み。しかも、このプログラムのための作品を委嘱されたのは、Joost Rekveld、Tina Frank、Björn Kämmerer、Gert-Jan Prins & Martijn van Boven、Manuel Knapp、Johann Lurf、Rosa Menkman、Billy Roisz & Dieter Kovacic、牧野貴 & Telcosystems、Esther Urlusなど、現在進行形の作家ばかりである。
http://www.filmfestivalrotterdam.com/en/iffr-2014/events/vertical-cinema/

上記エントリーに貼付けたトレーラーは、牧野貴 & Telcosystemsによる『Deorbit』(17’30”, 2013)である。まず、牧野が高解像デジカメ撮影によって粒子状のテクスチャを作成し、そこにテレコシステムズがプログラミングによって生成したデジタルの粒子を付加することによって、ベースとなるイメージが作り出される。このベースに、さらに天体写真が重ね合わされて、イカロスの神話をモチーフとした飛翔と墜落の映画が展開される。なお、本作の制作環境はデジタルによるものだが、最終的には35mmフィルムにキネレコされている。これはフィルムへの偏愛というよりも、パラシネマ的な映画というメディアの読み直しとして捉えるべきだろう。

追記:
この他にも、西川智也の『45 7 Broadway』(5”, 2013)もSpectrum Shortsのなかで上映されることに先ほど気がついた。
http://www.filmfestivalrotterdam.com/en/films/45-7-broadway/

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「Artwords」で読み解く現在形/[シリーズ7:“映像”の現在形]脱領域的な表現手法と批評の展開

artscapeのウェブサイトで連載されている「トークシリーズ:「Artwords」で読み解く現在形」のなかで、映像をテーマとして、愛知芸術文化センター学芸員の越後谷卓司氏と対談を行いました。先方が付けたタイトルは『[“映像”の現在形]脱領域的な表現手法と批評の展開』ということで、まあ大体そんな感じの対談をさせてもらっています。実験映画、ビデオアートから、美術家による映像、アニメーション、ドキュメンタリーまで、ここ15年くらいの映像をめぐる多様な展開を大筋で押さえることが出来たんじゃないかなと思います。今思うと「あれに触れるの忘れてた」的なトピックや、やや言葉足らずだったなと思う部分もあったりしますが、そこはご容赦を。越後谷さん、ありがとうございました。

以下のバナーから読めます。
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『新しい「エネルギー基本計画」策定に向けた御意見の募集について』についてのパブコメ

『新しい「エネルギー基本計画」策定に向けた御意見の募集について』のパブリックコメントを書いて、提出サイトから送った。分科会がまとめた「エネルギー基本計画に対する意見」のなかでは、いつの間にか原発の再稼働や核燃料サイクル政策を推進するという方針がとられています。この方針に何らかの懸念を覚える人は、締め切りは明日までなので、短い文章でもよいので、反対や懸念の意見を表明しておくべきかと思います。以下からパブコメを送ることが出来ます。「エネルギー基本計画に対する意見」本文についてもPDFで読めます。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620213015

以下は、この件に関する新聞報道。

・ 「原発ゼロ」なし崩し 核燃サイクル・もんじゅも継続明記(2013年12月14日  東京新聞)
「経済産業省の審議会「総合資源エネルギー調査会基本政策分科会」は十三日、エネルギー基本計画案を了承した。経産省の素案段階で「重要なベース電源」としていた原発を「基盤となる重要なベース電源」と書き換え、さらに推進色を強めた。国民の意見を踏まえて決めた民主党政権の「原発ゼロ目標」からの転換姿勢を鮮明にした。」

引用元: 東京新聞:「原発ゼロ」なし崩し 核燃サイクル・もんじゅも継続明記:経済(TOKYO Web).

で、私の昼寝の時間を一時間程削った成果としての下書きがこれ。

各論について意見を述べる以前に、経済産業省が「エネルギー基本計画」を見直すプロセスにおいて、国民の意見を軽視する態度が明白ですので、それについて指摘します。

エネルギーの将来的計画のなかで原発がどのように位置づけられるかについての国民からの意見募集は、平成24年に全国11都市で開催された「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」において既に実施され、主な意見は表明されています。この意見聴取会は民間新聞社の世論調査とは異なり、行政が主体となって行われた意見聴取であり、広範に国民の意見を募ることを目的としていました。私も抽選で選ばれ、札幌市で開催された聴取会に意見表明者として参加しました。その意見聴取を経て、「2030年代に原発稼働ゼロ」とするスケジュールが「革新的エネルギー・環境戦略」において、平成24年9月14日に決定されたと記憶しています。

政権の交代により、「エネルギー基本計画」の大幅な見直しが行われるとしても、「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」によって表明された国民の意見は反故にされるべきものではなく、政治的な責任をもって、その意見が「エネルギー基本計画」に、どのような形で反映されたのかを明示すべきであると言えます。

もしも政府が、平成24年から一年あまりで国民の意識が大きく変わったと認識するのであれば、改めて意見聴取会ないしは公聴会を開催すべきであり、そのような手続きを踏まないままに「エネルギー基本計画」の見直しを行うことに強く反対します。特に、原発が再稼働した際に直接の利害が生じる原発の周辺地域や、福島第一原発事故による被害を被った福島県において、意見聴取会ないしは公聴会を開催すべきです。

「エネルギー基本計画に対する意見」そのものについては、結論ありきで事務的に作成された文章であるという感を否めません。詳細な根拠の提示と、その根拠に対する様々な方面からの分析を怠っているといえます。最大の問題は、再び福島第一原発事故と同規模の原発災害が起こったときの人的損害・経済的損害が、何ら考慮に含まれていないことです。本文中での言及としては「また、万が一事故が起きた場合に被害が大きくなるリスクを認識し、事故への備えを拡充しておくことが必要である」(p18)という、福島原発事故以前の意識と何ら変わらない無責任な一文が見いだせるのみです。原発のトラブルに伴う外部不経済を存在しないものとして無視するのではなく、メリットとデメリットを勘案した上で、エネルギー基本計画を策定すべきです。

加えて地層処分について、幌延町が含まれる宗谷管内居住者として意見を述べます。本文中では地層処分について「我が国においても、現時点で科学的知見が蓄積されている処分方法は地層処分である」(p26)と、無根拠に記述されていますが、日本学術会議が平成24年9月11日に回答した「高レベル放射性廃棄物の処分について」のなかでは、「高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策の抜本的見直し」が提言されています。また、幌延深地層研究センターでは、2013年2月に掘削中のトンネル内でメタンガスの噴出と、大量の地下水の出水があったと報じられました。国際的な地層処分の趨勢がどうであろうと、日本国内において地層処分に適した安定した地層が存在しないという事実を省みることなく、地層処分の計画を進めることは無謀であるといえます。

また、もんじゅについては「これまでの取組の反省と教訓の下、実施体制を再整備する」と記述されており、核燃料サイクル政策の推進が謳われていますが、これも福島第一原発事故以前の意識と何ら変わらない、無責任な態度です。核燃料サイクル政策についても、抜本的見直しを行うべきです。