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半年近く中断してしまいましたが、このエントリーで去年11月のマルセイユ旅行の記録は終了です。ついでに過去に書いたエントリーも上げ直しておきます。


明日帰国なので、この日はパリを大急ぎで観て回る。午前中に一般的な観光をして、午後から個人的好みに合致した観光を楽しむという算段である。幸いな事にこの日は快晴。朝早く凱旋門に移動し、そこからスタートして周辺の観光名所を歩いて回る。自分を含めてアジア系観光客が多かった。午前の観光の締めとして、ベンヤミンに絡めてパサージュを実際に見てみたくて、ギャルリ・ヴィヴィエンヌも観に行く。
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午後からは、どんな施設なのか確認したくて、少し離れたところにあるシネマテーク・フランセーズに移動。映画を観る時間はないけど、しばらく展示を観たり(コクトーに関する展覧会を行っていた)、ショップをチェックしたりする。
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その施設の印象に妙に納得しながらシネマテーク・フランセーズを後にする。次に向かったのは、Re-Voirである。実験映画専門のレーベルとしてフランス国内にとどまらず、日本でもよく知られているRe-Voirは、貧乏な衣料品店のような外観だった…。心の中で先ほど見たシネマテーク・フランセーズとの格差にやるせなさを感じる。まあ実験映画らしいといえば、らしい現実ではあるが。店内に入り、よくネット経由で注文している事を告げてスタッフと話したり、ウェブサイトで扱っていない実験映画関係のDVDを購入したりする。店内では、納品されたばかりのAdolpho ArriettaのDVDボックスの梱包と発送作業が行われていた。
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そしてポンピドゥーに移動。腹も減ってきたので、到着後、周辺の広場にあるカフェでパイとコーヒーを頼んで一服。
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この時点でまだ午後3:00くらいだったので、閉館までかなり余裕がある。この時期のポンピドゥーは、ちょうど興味深い展覧会をまとめて開催していたので、フリーのチケットを購入して、「LE SURRÉALISME ET L’OBJET(シュルレアリスムとオブジェ展)」、「MODERNITÉS PLURIELLES DE 1905 À 1970」、「PIERRE HUYGHE」、そしてオープンスペースの「PLANÈTE MARKER」を全部観ることにした。「シュルレアリスムとオブジェ展」は、シュルレアリスムの彫刻、オブジェに焦点を当てた、12の展示室から構成される大規模な展覧会。映像を多用しながら、シュルレアリスム活動史における主要展覧会を特集した展示室もあり、大変勉強になった。ガラス棚にオブジェを並べた、1936年の展示(Exposition surréaliste d’objets 1936)も再現されていて、とても興味深い。展覧会に併せてフランス語のみだが、分厚いシュルレアリスム・オブジェ辞典も刊行されていた(日本語版を水声社あたりから出してほしい…)。
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「MODERNITÉS PLURIELLES DE 1905 À 1970」は広範な時代・地域を対象としたコレクション展。「PIERRE HUYGHE」は、ピエール・ユイグの作品を集めた展覧会。どちらもざっと観るに留めたが、コレクション展の中にある、ブルトンが収集していた膨大なオブジェ類だけは、興味深かったのでじっくりと観た。

「PLANÈTE MARKER」はクリス・マルケルの展覧会+上映会。地下のシアターでは、マルケルの映画はもちろんのこと、マルケル作品以外の関連上映も行われる。オープンスペースでは、映画以外のマルケル作品に光を当てるというコンセプトで、マルケルのビデオインスタレーションやCD-ROM作品、出版の仕事などが展示されている。ビデオアート作品と呼称して何の問題もないであろう、13台のモニターを使用した「Zapping Zone」(1990-1994)や、戦争や革命に関わるフッテージをカラーエフェクトによって変調した「Quand le siècle a pris formes」(1978、本来はマルチモニターのインスタレーションとして構想された作品)を観ることが出来た。
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ちなみにポンピドゥーは、館内ホールの至る所にあるコンセントを勝手に使っても怒られない。フリーのWi-fiも飛んでおり、客は皆、地べたに座ってノートPCを開いているという有様。私もしばらく地べたにあぐらをかいて、iPhoneを充電させてもらう。閉館時間になって館外に出ると、もうすっかり夜になっていたので、歩いてホテルまで戻る途中、昨日と同じ近所の店に寄って、ケバブとコーヒーで夕食。この日は本当によく歩いた。翌日は早朝にホテルを発ってシャルル・ド・ゴール空港へ移動。頼まれ物の土産類を買い込んで、特にトラブルもなく帰りの航空機に乗り込む。さすがに帰りの航空機は日本人ばかり。機内では普段なら絶対に観ないだろうタイプのハリウッド映画をぶっ通しで楽しみながら、日本に帰国した。

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