「闇をはらう呪文(A Spell to Ward off the Darkness)」補遺

「闇をはらう呪文(A Spell to Ward off the Darkness)」のレヴュー補遺として、ブラックメタルにおける自然の表象や異教的モチーフが、現代社会の価値観に対立するための手がかりであるという事を示す参照項をいくつか。

・ドイツのNargarothによる2013年のライヴ。Nargarothは初期のアルバムほどその傾向が強いように思うが、この日のライヴは初期の楽曲をやっていたためか、自然の風景や狼の映像を背景に演奏している。

・Burzumがアルバム「Filosofem」で使用していた、テオドール・キッテルセン(参考:キッテルセン美術館)の絵画。現代社会を否定する外部性や超越的なものを、国民的画家が描く自然やトロールのなかに見出しているといえる。彼の場合、その視線は民族主義的なものへと変移してゆく。
Kittelsen

・ブラックメタルの音楽的な幅広さを示す、IldjarnによるCD2枚組のアンビエント作品である「Landscapes」。自然をテーマとした静謐な音楽であるが、彼のなかでは、プリミティヴな激しい楽曲も、このようなアンビエントも、同じ動機によって結びついた地続きなものである。

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