Michael Snow – Musics For Piano, Whistling, Microphone And Tape

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(Track & Light Recordings, 2CD)

CCMCやピアノソロ、サウンドアート作品を聴き直して、マイケル・スノウの予習に取りかかる。本作は、マイクロフォンとテープを使用したコンセプチュアルな作品集であり、どちらかというとサウンドアート寄りの仕事に括れる。まず『Falling Starts』は、ピアノのフレーズをテープに録音し、それを超高速で再生させるところから始めて、反復するたびにスピードを減速させてゆき、持続音になるまで繰り返すという作品であり、「Beginning」と「Conclusion」という、二つのパートに分割されている。ただし、前者のパートである「Falling Starts (Beginning)」はプロセスの提示、いわば序章であり、ピアノのフレーズを23分間のひび割れた持続音として引き延ばした「Falling Starts (Conclusion)」こそがこの作品の目的であるといえる。『W In The D』は口笛を吹きながら、マイクの方を動かして音を変化させたと思われる作品。『Left Right』はメトロノームの音を背景に、交互に進行するピアノの反復演奏がローファイな録音によってズタズタに変調される作品。

この作品集において重要なのは、やはりエレクトロニクス(マイクロフォンとテープ)の使用法であり、ピアノと口笛は、その構造の部材に過ぎない。スノウの実験映画に関心を持つ人が、まず最初に聴くべきコンセプチュアルな音楽作品であると思う。

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