+上映会予告「Lynn Loo + Guy Sherwin」

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日時:2015年9月1日(火曜日)
会場:音楽実験室 新世界
チケット:¥2,300 (1ドリンク代込み)
18:30会場 19時開演
http://plusscreening.org/?p=730
http://www.facebook.com/events/1599859136969134/

上映作品
Lynn Loo:
・Washi #2. 2014, 10min
・Autumn Fog. 2012, 8min (short version)
・End Rolls. 2011, 12min
Guy Sherwin:
・Cycles #3. 1972/2003, 9min
・Bay Bridge from Embarcadero. 2002, 10min
・Railings. 1977, 10min
U.K. and Netherlands Experimental Film Program:TBA

イギリスより、実験映画作家であるリン・ルーとガイ・シャーウィンが来日し、六本木の新世界にて、複数の映写機を使用したエクスパンデッド・シネマ作品の上映を行います。それに加えて、二人が選んだイギリスとオランダの実験映画プログラムも併せて上映される予定です。また、渋谷のアツコバルーでも、シャーウィンが参加するグループ展「絶対の今」が開催されます。こちらも是非。
http://l-amusee.com/atsukobarouh/schedule/2015/0905.php

追記:「Lynn Loo + Guy Sherwin」上映のための解説文を、PDFでアップロードしました。
Lynn Loo + Guy Sherwin 解説(PDF)


作家解説
Guy Sherwin (ガイ・シャーウィン)
1948年、イギリス出身。実験映画作家。ロンドン芸術大学で絵画を学ぶ。1970年代よりロンドン・フィルムメーカーズ・コーポラティヴに関わり、フィルムの現像技術についての指導を行う。実験映画のなかでも、エクスパンデッド・シネマ(拡張映画)と呼ばれる、通常のフィルム上映とは違った方法を用いることによって、映画上映のあり方を問い直したような作品を数多く手がけている。特にシャーウィンのエクスパンデッド・シネマは、複数の映写機を即興的に使用した作品が多く、パフォーマンス的な要素が強い。また、エクスパンデッド・シネマだけでなく、いわゆる「通常の上映」による映画も手がけているが、映写機のサウンドトラックの機構に着目した作品や、カメラと被写体の関係に着目した作品など、映画のあり方を問い直すという姿勢が一貫して存在している。ロンドン・フィルムメーカーズ・コーポラティヴの後継組織であるLUXからは、DVD作品集として『Optical Sound Films 1971-2007 』(2007)、『Messages』(2010)、『Short Film Series 1975 – 2014』(2014)がリリースされている。

Lynn Loo (リン・ルー)
シンガポール出身。実験映画作家/フィルムアーキビスト。シカゴ美術館附属美術大学で実験映画を学び、その後、イギリスのイースト・アングリア大学でフィルム・アーカイビングについて学ぶ。1997年より映画制作を開始し、2004年にロンドン・フィルムメーカーズ・コーポラティヴに関わった作家による1970年代のイギリス実験映画に触れて、複数の映写機を使用したエクスパンデッド・シネマの上映にも取り組むようになる。2005年以降は、シャーウィンと共同で、パフォーマンス的なエクスパンデッド・シネマを多数上映している。

ルーとシャーウィンの映画は、観客に対して「映画を成立させている条件とは何か」という問いを提起するものである。それは、映画がフィルムからデジタルへと置き換わりつつある移行期において、重要な示唆を私たちに与えるものとなるだろう。

上映会予告「Sound Screening Vol.3」

Main visual_Thomas Young's 2 slits experiment

日時:2015年9月6日(日曜日)18:30会場 19時開演
会場:東京おかっぱちゃんハウス(東京都練馬区上石神井3−30−8 西武新宿線上石神井駅北口より徒歩5分)
チケット:¥1,500
http://infoboojil.wix.com/okappachan-house#!schedule/cee5

視覚と聴覚の拡張を探究するイベントの第3回目は、オーストラリアから実験映像作家のリチャード・トゥーイーを迎えて。デジタル全盛の今日において、自ら映画用フィルムの現像所を創設し、その膨大な知識と高度な技術を用いて超絶実験映像を作り、数多くの国際映画祭で活躍するリチャード。16mmフィルム映写機2台を用いて、複雑な円形の模様を展開するライブ作品”Dot Matrix”を始め、全ての作品が日本初上映となります。また、孤高のサウンドアーティスト・村井啓哲は、「ロウソクの火のゆらぎに反応し相互干渉する四つの発振器が発する音と電波をきく作品」=”lucent”を披露します。そして、田巻真寛は、風を追って旅をし、抽象的な風の姿をとらえた”Passages”を上映します。

上映・上演作品
田巻真寛:
・Passages (11min40sec, 2013)
村井啓哲:
・lucent(サウンドパフォーマンス)
Richard Tuohy:
・Dot Matrix (16min, 2013)
・On the Invention of the Wheel (13min, 2015)
・Ginza Strip (9min, 2014)

田巻真寛のプログラミングによって開催される「Sound Screening Vol.3」において、オーストラリアの実験映画作家リチャード・トゥーイーと田巻真寛の映像作品上映、そしてサウンドアーティストとして知られる村井啓哲のサウンドパフォーマンスが行われます。特に下記のトゥーイーの『Dot Matrix』は、複数の映写機によるフィルム・パフォーマンスとして上映されるそうです。上映会が集中しますが、お時間のある方は是非。

「1,2,3,4 Fuck Off! count,30」Kazumoto Endo, Cracksteel, Grim @ 鶯谷What’s Up

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先日、『Maha』をリリースしたばかりのGrimのライブが行われるというので、鶯谷のライブハウスWhat’s Upに行ってきた。会場は小さなバーといった感じなのだが、天井に椅子を引っ掛けてスペースをつくり、フロアにドラムセットやアンプ、PAなどが設置されていた。密集した観客は至近距離でバンドやユニットを見ることになる。今回のイベントはアメリカのバンドであるPenis Geyserのツアーに併せたものらしく、ハーシュノイズ勢とグラインドコア勢が入り混じったラインナップとなっていた。私はこの日、Kazumoto Endo、Cracksteel、Final Exit、Sete Star Sept、Grimの演奏を聴いた。Final Exit、Sete Star Septのライブも楽しんだが、ここでは特にKazumoto Endo、Cracksteelと、Grimのライブについてレヴューしたい。

Kazumoto Endo:
Kazumoto Endoは卓上に機材を並べ、至近距離で観客に取り囲まれてハーシュノイズの演奏を行った。薄い鉄板にコンタクトマイクを付けて、これを発音源としながらエフェクターを通して出力するというのが基本的な方法のようだ。おそらくミキサー以外のエフェクター類は、DIYな外観から自作回路によるものだと思われる。そのサウンドは、細かい操作によってサウンドを複雑に変化させてゆくというもので、職人的な巧みさによって展開されていった。

Cracksteel:
同じくCracksteelも、卓上に機材を並べ、観客に囲まれながら演奏を行う。Cracksteelの発音源は小型のサンプラー(?)と思われる機材で、これを右手でランダムに叩きながら、左手で複数のエフェクターを操作していた。こちらは断続的な溜めと解放を行き来しながら暴発し続けるような、ストレートなハーシュノイズを展開させていた。いずれのユニットも、極めて痛快な演奏だった。

Grim:
Grimは、国内では例外的な、ハーシュノイズとはまた異なる分岐をたどったインダストリアル・ミュージックとしての文脈を抱えたユニットである。その表現は、音楽を通した擬似宗教的な超越性に向かいながらも、インダストリアル・ミュージックとしての形態に立脚している。その存在は、この日のラインナップのなかでも一際異彩を放っていた。Grimは先日オーストリアのSteinklang Industriesからリズミックな要素を強調した新作『Maha』をリリースしたばかりであるが、この変化がどのようにライブに影響を及ぼすのか、それがこの日の私の最大の関心事だった。

私はこの『Beautiful Morning』から続く『Maha』でのリズミックな要素の強調を、大変面白いと思いながら聴いた。それはAfrican Head ChargeやMuslimgauzeを連想させるものだと思っていた。しかし、このリズミックな要素が、この日のライブの中に持ち込まれていたのかというと、その要素の強調は然程ではなかった。むしろプリミティヴでノイジーな反復による演奏が中心的に展開されていたといえる。このことを踏まえて整理するならば、おそらく録音物としてのGrimとは、Grim=小長谷淳の音楽的全体像の提示であり、ライブにおけるGrimはその一側面のプレゼンテーションであると位置付けるのが適切なのだろう。そう考えると、私は見逃したが、民俗楽器の鐘を鳴らす小長谷と山之内が会場を徘徊したという昨年夏のGrimのライブのあり方も納得できる。想像になるが、もしかしたらアシッドフォーク的な側面にクローズアップしたGrimのライブというのも、そのうちあり得るのかもしれない。

さて、この日のライブの編成は、小長谷に加えて、ギターに前川大輔、ドラムに大和田悠介、メタルパーカッション+ベースとして大久保正彦という通常のメンバーだった。先述の狭い空間にドラム缶までもが持ち込まれており、会場の密集度は凄い事になっていた。演奏の展開を簡単に説明しておく。まず、冒頭からしばらくはベースとギターノイズによるドローンが続く。それが一転して、この日のイベントのコンセプトに合わせたのかのように、小長谷の絶叫とブラストビートに転じる(このGrim版グラインドコアといえる演奏は少し意外だった)。そして、このドローンとブラストビートの往復が数度繰り返されたのち、中盤からはドラム缶が打ち鳴らされ、Grimらしいノイジーな反復演奏によるトランスミュージックが展開される。小長谷は観客の中でもみくちゃになりながら絶叫し、彼らを煽る。時間にして20分程の短い演奏だったが、切れ目のない流れの中で、音楽を通した擬似宗教的な場が形成されていた。

本日の散財

・ザビーネ・ハーケ – ドイツ映画
・チャールズ・マッサー – エジソンと映画の時代
・大石雅彦 – エイゼンシテイン・メソッド イメージの工学
・Art Trace Press 03
・モダニズムのハードコア 現代美術批評の地平(Kindle版)
・ジャック・ランシエール – 解放された観客
・ジャック・ランシエール – 感性的なもののパルタージュ
・ダニエル・グラネ、カトリーヌ・ラムール – 巨大化する現代アートビジネス
・MC漢 – ヒップホップ・ドリーム

・V.A. – Masterworks of American Avant-Garde Experimental Film 1920-1970 / Blu-ray, DVD
・William Raban – 72-82 / DVD
・Floris Vanhoof – The Wonderful World of Well Sounding Voltage snd Project Light / DVD
・Christopher MacLaine – Beat Films / DVD
・Len Lye – Rhythms / DVD
・Rose Lowder – Banque D’Images / DVD
・Hans Richter – Ealry Works / DVD
・アンドレイ・タルコフスキー – ストーカー / Blu-ray
・アラン・レネ – 夜と霧 / Blu-ray
・アラン・レネ – 24時間の情事 / Blu-ray

・Jim O’Rourke – Simple Songs / CD
・Michael Snow – The Last LP / LP
・Philip Glass – Music with Changing Parts / 2LP
・Arthur Russell – First Thought Best Thought / 2CD
・MB – Cmrs/Opea / LP
・Lyoto Music – Lyoto Music / LP
・Genocide Organ – Archive V / 10″
・Capricorni Pneumatici – I / LP
・Muslimgauze – Vampire of Tehran / CD
・Muslimgauze – Sulaymaniyah / CD
・Muslimgauze – Sycophant Of Purdah / CD
・Muslimgauze – Uzbekistani Bizzare and Souk / 2LP
・Grim – Maha / CD
・As//SS/gZ, White Hospital – 録音鬼特別盤 ROKUONKI EXTRA! Live Aktion4.18 / 2CD

五月中旬から八月上旬にかけての散財。個人的経済危機につき、かなり控えめ。映像関係についてはビデオからDVDへ、あるいはDVDからBlu-rayへと買い直したものが多い。「モダニズムのハードコア」も買い直し。これの書籍版は、前の職場にいた頃に同僚から譲ってもらい、いまも大切に保管している。Grimの新作については、ジャケットが印象的なCDボックス版を入手。かなりリズミックになっていて驚いた。このリチュアルなサウンドとリズミックな構造は、確かにAfrican Head Chargeを連想させる。