トニー・コンラッド

TC-portrait

2008年の横浜トリエンナーレにトニー・コンラッドは来日し、インスタレーションの出品と、演奏を行った。そのコンサートはジム・オルークとの共演であり、これまでに聴いたあらゆる演奏のなかで、最も印象深いものになった(このエントリーを参照)。さらに遡るならば、ほとんど記憶はかすれてしまっているが、1998年の来日の際にも京都の磔磔でアレクサンドラ・ゲレンチャーとの共演を聴き、その前後に開催された京大西部講堂での飯村隆彦との映画上映会も観に行った(このエントリーを参照)。その際に経験した音楽と映画は、今に至るまで私が音楽を聴いたり、映画を見たりする際の価値判断の根拠になっていると思う。そこには、60年代アメリカ実験音楽によって見出された本質的な再現不可能性や反録音性、そしてアンダーグラウンド映画(特に構造映画)によって見出された、映画的経験における知覚変容といった可能性が集約されていた。その表現は、まさに前衛芸術のハードコアであった。

そのトニー・コンラッドが亡くなった。安らかに眠ってください。
Tony Conrad, Pioneering Musician and Filmmaker, Dead at 76

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