「混沌が意味するもの──松本俊夫アヴァンギャルド映像特集上映」の記録

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著作集成刊行開始を記念して、5月28日から6月3日まで一週間にわたってアップリンクで催された、「混沌が意味するもの──松本俊夫アヴァンギャルド映像特集上映」が無事終了しました。ご来場頂いた皆さま、ありがとうございました。上映会としては連日多くのお客さんに来て頂き、大成功でした。特に作曲家を招いた「湯浅譲二の映画音楽」特別プログラムは満席となり、せっかくお越しい頂いたのに入場できなかったお客さんもおられ、申し訳なかったです。所々記憶が抜けるくらい忙しく、ほとんど写真を撮れなかったので、一番上の写真以外は川崎さんのFacebookから転載です。上段から湯浅さん+川崎さんによるトーク、江口さん+佐藤さん+私によるトーク、上映初日にギリギリ間に合った第I巻と、おまけのアヴァンギャルドステッカー(?)の写真です。

トークイベントの構成についても、ちょっと書いておきます。これらのトークは、最初から評論編と実作編で分けることを考えました。さらに評論編はAプロに対応した「松本俊夫と前衛記録映画」(江口浩+佐藤洋+私)と、B・Cプロに対応した「松本俊夫と映画の変革」(西嶋憲生+平沢剛+私)に分けて、1968年で区切るような形で、各時代の作家の活動をテーマとしてみました。実作編は映像と音楽それぞれに焦点を当てる形で、「体験的日本実験映画史」(石田尚志+西村智弘)と、「湯浅譲二の映画音楽」(湯浅譲二+川崎弘二)という形で組んでみました。

湯浅さんと川崎さんによる「湯浅譲二の映画音楽」のトークは、作曲家の創作の初期衝動にせまるような大変充実したものとなり、客席におられた現代音楽関係の方々にも満足してもらえたのではないかと思います。私としては「松本俊夫と前衛記録映画」のトークのなかで、いままで見過ごされてきた松本俊夫の少年期〜青年期の風景に光を当てることができて、とても満足しています。他にも「体験的日本実験映画史」のトークは、一人の作家が松本俊夫をどのように受容したかをテーマに、西村さんが石田さんの言葉を引き出してゆく形で進められました。これが作り手ならではの実践的な立場から発される名言連発のトークとなり、感銘を受けました(打ち上げでは馬鹿話に終始して、私が受けた感銘が、石田さんにうまく伝わってなかった気もするが…)。「松本俊夫と映画の変革」のトークは、松本俊夫の政治的な立場の変遷に対する評価や、当時高校生だった西嶋さんから見た1960年代末の新宿の風景など、掘り下げたいテーマが幾つか出てきたものの時間切れで勿体なかったので、別の機会を設けてもっと深めたいところです。

次は著作集成第II巻の刊行時に、また違う切り口でイベントを催したいと考えていますので、ご期待ください。という訳で、また半年ほど編集・調査に没頭します。

追記:著作集成第I巻に情報の訂正がありましたので、正誤表を確認ください。申し訳ありません。

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