Trap/HipHop MV 2017

今年は趣向を変えて、2017年にリリースされたトラップ/ピップホップで、よく聴いたもの、印象に残ったものを10点ピックアップ。ヒップホップに関しては、ここ2〜3年の典型的な文脈から逸脱したようなスタイルの流行に関心を持っていて、前にも増して聴くようになった。勿論、ノイズや現代音楽も相変わらず聴いているが、絶対量は減った。恐らく、自分の意識の中で、音楽の位置付けが少し変わったということもあるのだろう(それは消費するという感覚に近い)。以下の並びを見れば、自分の嗜好が、パンクの要素が若干入ったようなエモーショナルなトラップにあることは一目瞭然かと。

kiLLa – SHINE (Prod. No Flower)

YDIZZY – Dream Rain (Prod. KM)

YDIZZY – OMW (Prod. Chaki Zulu)

MONYPETZJNKMN – WHOUARE feat. Awich (Prod. Chaki Zulu)

MONYPETZJNKMN – UP IN SMOKE (Prod. Chaki Zulu)

kZm – Midnight Suicide feat. Awich (Prod. Mitch Mitchelson & Chaki Zulu)

kZm – Emotion (Prod. hnrk)

Gab3 – True Religion (Prod. Tripi Hendrix)

Gab3 – Hollywood Dreaming ft Lil Peep

Lil Peep & Lil Tracy – WitchBlades

簡単に概説しておくと、kiLLaは元々YENTOWNに属していた20歳前後の若いクルーで、昨年の秋にYENTOWNから集団で離脱した。ラッパーは現在のところ、YDIZZY、KEPHA、ARJUNA、BLAISEの4人。パンクスのようなファッションや、観客にモッシュを要求するパフォーマンスなど、トラップ以降に表れた典型的な文脈から逸脱する動きを、国内において体現しているクルーだといえる。面白いのは、メンバーのソロではエモーショナルな要素が前面に出てくるところで、例えばYDIZZYのソロやミックステープでそれは顕著だろう。
MONYPETZJNKMNは、YENTOWNに属するラッパー3人によるユニットで、MonyHorse、PETZ、JNKMNから成る。彼らは比較的固い韻を踏むのだが、リラックスしたフロウに、一歩引いて力を抜くというルーツレゲエ的な姿勢を感じさせる所があり面白い。ちょっと違うがフィッシュマンズや、シンガーがいた頃のDRY&HEAVYを思い出したりもする(過去に観たライブのイントロでは、Bob Marleyの『Concrete Jungle』を流していた)。YENTOWNは、この3人に加えてkZmや、今年から合流した沖縄出身の女性ラッパーAwich、そしてChaki Zuluをはじめとした複数のビートメイカーやDJを擁するクルーである。kZmは、kiLLaのメンバーだったがYENTOWNに残ったラッパーで、トラップのビートに乗せて、不穏で内省的なラップを聴かせる。海外でいえばBonesなどに近いといえ、既存のフォームからの距離感が絶妙だと思う。ちなみにYENTOWNとkiLLaは袂を分かったとはいえ、Chaki Zuluが双方をプロデュースしたり、kiLLaのリリースパーティーにPETZとkZmがゲスト参加したりと、完全に切れた訳ではないようだ。
Gab3(Uzi)は、西海岸のラッパーで、ここまで来るとエモーショナルなオルタナティヴロックといった趣だが、これをヒップホップにおける内部的な異化として捉えると、途端に、凄く批評的なラッパーなのではないかと思えてくる。ちなみにGab3は、MONYPETZJNKMNの『Zutto』のリミックスもやっているほか、2016年にはYENTOWNの面々とMVも作っている。
Gab3 – Know Me

そのGab3と一緒に曲もやっており、エモーショナルなトラップの代表格であった、GOTHBOICLIQUEに属するLil Peepは、つい先日、薬物摂取で亡くなったことが報じられた。

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