松本俊夫『晴海埠頭倉庫』@物流博物館映画上映会「海と陸と」

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本日(12月17日)、品川の物流博物館では物流博物館映画上映会「海と陸と」が開催される。
http://www.lmuse.or.jp/event/eiga2017.html

この上映会は物流博物館が所蔵するPR映画がデジタル化されたことを受けてのもので、特筆すべきは松本俊夫『晴海埠頭倉庫』が含まれていることだろう。『晴海埠頭倉庫』は近年発見されたPR映画で、2016年のアップリンクでの松本俊夫特集でも上映した。その時の解説に少し手を加えて、下記転載しておきます。(全作品解説の記載されたアップリンクのサイトはこちら。)

松本俊夫『晴海埠頭倉庫』 Harumi Pier Warehouse, 1965, 16mm, 34min
近年発見された日本通運の企画、輸送経済新聞の製作によるPR映画であり、1965年に完成した晴海埠頭倉庫の業務を解説する。斬新なフレーミングや、綿密なカメラワークを展開しており、企業のPR映画でありながら実験性に満ちた作品となっている。音楽は湯浅譲二による器楽曲とテープ音楽。
製作:小平亨/脚本・監督:松本俊夫/撮影:高田昭/照明:鈴賀隆夫/音楽:湯浅譲二/編集:岩佐寿枝/解説:小松方正

本作は、『石の詩』での前衛的な表現をめぐってテレビ局とトラブルになり、映画を思うように作れなくなった、松本の創作活動にとっては苦しい時期に制作された作品である。作家への聞き取り調査では、本作はPR映画としての仕事であり、あまり満足した作品ではなかったように語っておられたが、そんなことはない。松本は撮影の高田昭とともに、クレーンに吊り下げられた貨物を真下から撮影したり、屋内の空間を最大限生かしてカメラを振り付けたりと、カメラワークの実験を可能な限り追求している。演出のコンセプトとしては、『300トン・トレーラー』を引き継ぐものであることは明確だろう。そして、湯浅譲二による器楽曲とテープ音楽は、そのような松本の実験を堅実に支えている。このような限界の中での創意工夫こそが、PR映画を作家性において見返すことの意義であることは言うまでもない。貴重な機会なので、是非。

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