宮城小旅行

3月、年度末に残りの有休を使って宮城を訪れた。第一の目的は、宮城県美術館で開催されていた「わが愛憎の画家たち 針生一郎と戦後美術」を観るためであり、第二の目的は、東日本大震災から丸四年が経った東北の様子を実際に見てみたかったから。針生一郎展については、改めてブログで書きたいと思う。初日は仙台空港に降り、牛タンをいただくなどしてのんびり過ごす。翌日は朝一で宮城県美術館に向かい、半日かけてじっくりと展示を観る。昼過ぎからは、荒浜の海岸沿いを見て回った。仙台市内は賑やかだったが、海岸沿いの国道10号の歩道には延々と砂が残っていた。そして、最終のはやぶさに乗って宮城を後にした。

はやぶさ車中には、丸四年後の現実を確認しておこうとエアカウンターEXを持参したのだが、仙台駅では0.01-0.02μSv/hだったのに、本宮市のあたりでは車内にもかかわらず、0.10μSv/hという数字を見ることになり、暗い気分になった。これは単純に公害だよ。数字は東京駅に着く頃には0.02-0.03μSv/hに戻っていた。

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本日の散財

・ミシェル・マリ, 矢橋透訳 – ヌーヴェル・ヴァーグの全体像
・Organum – Desola / MCD
・Organum – Kammer / CD
・Organum – Omega / CD
・Jim O’Rourke – Steamroom18 / File
・高橋悠治 – 海からの黙示 / DVD
・Vatican Shadow – Death is Unity with God / 2LP

・「菅木志雄 置かれた潜在性」展覧会カタログ
・「わが愛憎の画家たち―針生一郎と戦後美術」展覧会カタログ
・「絵画者 中村宏展」展覧会カタログ
・「大阪万博1970 デザインプロジェクト」展覧会カタログ
・「石田尚志 渦まく光 Billowing Light」展覧会カタログ
・Jack Chambers – The Film of Jack Chambers / DVD
・The New Blockaders & Xtematic – Degenerative Themes / LP (Black)
・SPK – At The Crypt / Cassette
・Verdenskang – And It’s There / Cassette
・Hermann Nitsch – 6. Sinfonie / 2CD
・Selten Gehorte Musik – Novembersymphonie (Doppelsymphonie) / 2CD
・Selten Gehorte Musik – 3. Berliner Dichterworkshop / CD
・La Monte Young & Marian Zazeela – The Tamburas Of Pandit Pran Nath / CD
・檜垣智也 – 囚われた女 / CD, CDr
・Robert Ashley – Wolfman / CD
・MSC – 1号棟107 / CD
・V.A. – SHO MUST GO ON mixed by DJ KAZZ-K / CD
・Norikiyo – 花水木 Tour Final / 2DVD

・Bernard Parmegiani – L’Ouevre Musicale / 12CD
・Iancu Dumitrescu – Medium III / CD
・Henning Christiansen ‎– “Verena” Vogelzymphon, “Schafe Statt Geigen” / CD
・Organum – Vacant Lights, Rara Avis / 2CD
・Philip Corner – Satie Slowly / 2CD
・Ben Rivers and Ben Russell (Soundtrack) – A Spell to Ward off the Darkness / 2LP
・V.A. – Alchemy / Cassette
・Lustmord – Lustmordekay / Cassette
・Pierpaolo Zoppo – 2nd Movement / Cassette
・Giancarlo Toniutti – La Mutazione / LP, CD
・Giancarlo Toniutti & Andrew Chalk – Tahta Tarla / LP
・Giancarlo Toniutti – epigenesi / LP
・Jim O’Rourke – Steamroom19 / File

上から二月、三月、四月上旬の散財。この頃は重い仕事を並行して抱えていたせいで、ろくに本も読めないという毎日だった。展覧会カタログくらいしか本を買えていないが、代わりに国会図書館や美術館での資料複写に手持ちの金は消え去った。そんな日々のなかで、同時代の日本語ラップには随分助けられた気がする。

空気感

ところで今日は、太平洋戦争直前〜戦中に刊行されていた映画雑誌「文化映画」などをパラパラと読んでいた。年が進むにつれ、社会の空気は不自由になってゆくように思う。印象的だった表紙を並べてみよう。上から昭和13年8月号、昭和15年12月号、昭和16年1月号、昭和16年10月号、昭和17年3月号、昭和18年1月号。今村太平、飯島正、亀井文夫など、戦後において執筆・創作を続けてゆく著名な映画人の名前も並んでおり、戦中と戦後の連続性を強く感じる。そして、これは遠い昔の話ではない。

2014年12月13日

2013年12月9日 特定秘密保護法成立、2014年7月1日 集団的自衛権行使容認 閣議決定と来て、もうこの流れは止まらないようだ。7月1日のかすかな諦めの感情は、確信を持った諦観に変わりつつある。2011年3月11日にはじまった、建前すらない、なんでもありになった私たちの社会の劣化が、政治の劣化をもたらしたことは自明だろう。

彼らが本当にやりたいことは、「重点政策集」p26の一番最後に、手短に明記されている。「憲法改正原案を国会に提出し、憲法改正のための国民投票を実施、憲法改正を目指します」とのことだ。ちなみに、その自民党の「日本国憲法改正草案」は以下の通り。彼らの目指す価値観を理解するために、目を通しておいてもいいだろう(特に、第九条、第十二条、第十三条、第十八条、第十九条、第二十一条、第二十四条、第六十六条、第九十八条、第九十九条、第百条、第百二条あたり)。
自民党「日本国憲法改正草案」

期日前投票は済ませてあるので、明日はニュースを見ずに過ごそうと思う。以前にも貼った気がするが、伊丹万作の文章を再び貼っておく。「基本的人権さえも自力でつかみ得なかつた」とは、正にその通りである。これは、震災・原発事故以降の私たちの社会の当然の帰結だ。


伊丹万作「戦争責任者の問題」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000231/files/43873_23111.html

そしてだまされたものの罪は、ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも造作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになつてしまつていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。
このことは、過去の日本が、外国の力なしには封建制度も鎖国制度も独力で打破することができなかつた事実、個人の基本的人権さえも自力でつかみ得なかつた事実とまつたくその本質を等しくするものである。
そして、このことはまた、同時にあのような専横と圧制を支配者にゆるした国民の奴隷根性とも密接につながるものである。
それは少なくとも個人の尊厳の冒涜ぼうとく、すなわち自我の放棄であり人間性への裏切りである。また、悪を憤る精神の欠如であり、道徳的無感覚である。ひいては国民大衆、すなわち被支配階級全体に対する不忠である。
我々は、はからずも、いま政治的には一応解放された。しかしいままで、奴隷状態を存続せしめた責任を軍や警察や官僚にのみ負担させて、彼らの跳梁を許した自分たちの罪を真剣に反省しなかつたならば、日本の国民というものは永久に救われるときはないであろう。

特定秘密保護法のある日常

明日、2014年12月10日より、特定秘密保護法が施行される。その直前に、このような報道もあった。特定秘密保護法のある日常のはじまりに相応しい出来事だといえる。この国は、もう分岐点を超えてしまったと思えてならない。

 
「秘密保護法:反対の街頭活動「公選法抵触のおそれ」中止に」(毎日新聞 2014年12月09日)
 金沢弁護士会が、10日に施行される特定秘密保護法に反対する街頭活動を計画したところ、石川県選管から「衆院選期間中の政治活動を規制した公職選挙法に抵触する可能性がある」と指摘され、中止していたことが8日分かった。弁護士会執行部で見解が分かれたが「慎重なメンバーに配慮した」(飯森和彦会長)という。
引用元: 秘密保護法:反対の街頭活動「公選法抵触のおそれ」中止に – 毎日新聞.

本日の散財

・Genocide Organ – Archive IV / 10″
・Anenzephalia – Task Force Terrorist / LP
・Muslimgauze – Lazhareem Ul Leper / CD
・Muslimgauze – Jaagheed Zarb / CD
・V.A. – Gravity Spells: Bay Area New Music and Expanded Cinema Art / 2LP, 4DVD
・「フィオナ・タン まなざしの詩学」展覧会カタログ
・暮沢剛巳, 江藤光紀 – 大阪万博が演出した未来 前衛芸術の想像力とその時代
・リチャード・ウォーリン, 福岡愛子:訳 – 1968 パリに吹いた「東風」 フランス知識人と文化大革命

先月末より夏期休暇にはいったので、美術・実験映画・記録映画関係の古いテクストを美術館・図書館や古書店で渉猟する生活をおくる。そんな生活なので物欲を惹き起こされることもなく、ここひと月、散財はほとんどなし。一方で図書館の複写料はゆうに数万円を越えた。